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The Art of Rap : Something from Nothing / 日本未公開 (2012) 1033本目

同じアイスなら、キューブ派な私。アイス・Tの今の嫁がどうも苦手で... でもこれは作るって知った時から観たくてたまらなかった。あ、あのアイス・Tが監督してます。アイス・Tと言えば、これ↓ばかり浮かんでしまいます。ラップの中でもベストジャケ!このジャケットの裏が伝説ジャケ。

Power

Power

アイス・Tもデビューから今年でちょうど30周年になるんですね!というか、ラップももうそんな歳になったか...と思いました。ニュー・ジャージーで生まれ、ロサンジェルスで育ったアイス・T。そんな彼の意見がとっても反映されている映画。「(ラップについては)俺が撮らないで誰が撮るんだよ!」という意気込みで、監督に初挑戦してまで撮りたかったラップのドキュメンタリー。ラップとヒップホップ、ラッパーとMCの違いまで、初級な事を丁寧に語り、そして尚且つかなり奥深いラップまで語っていますよ。インタビューに応じた連中の数の多さも、さすがアイス・T!と思わせてくれてます。それはやっぱり30年という歴史が、そうさせているのです。グランドマスター・キャズのような大御所にフリースタイルをやってもらったり、エミネムに自分の曲を即興でやって貰ったりするのは、やっぱりアイス・Tのキャリアですよね。つーか、ラキムやアイス・キューブにまでフリースタイルをさせているのはさすがに驚いた!さすが大御所。アイス・Tにやれって言われたら、後輩はやるしかないよね。この映画でフリースタイルを見せてくれている人達の数も半端ない!そして、あのドクター・ドレにラップを語らせているのも素晴らしい。ラス・カス(Ras Kass)が滅茶苦茶いい人で、「イグジビットXzibit)にインタビューした?捕まえられるから」って、自ら電話掛けているのは笑った。ラッパーの輪!わ!今時、タモさんの所だって自分で電話掛けないのに!!しかもイクジビットの映像は休日に捕まえられた感が凄く出てましたわ。

まー、アイス・Tの功績は、ラッパーの数や質だけじゃない。それらの人達に実にリラックスさせて話しをさせている所。観客もその会話の中に居るような感じで、思わず彼等の会話に笑ってしまう時もあるし、「そうそう」と相槌しちゃう時もある。普通に映画監督が「ラップのドキュメンタリー撮りまーす」って、ルンルンでラッパーにインタビューしても、あのようなリラックス感は絶対に無い。ラッパー側はどうも身構えてしまうと思う。私的には、ソルトンペッパのソルトの会話が好き。アイス・Tが嫁のココに「詩なんか関係ない、踊れれば」と言われた時にショックを受けたと話したら、ソルトも「うちの夫も同じ事言うの。ラッパーとしてはショックよねー」と話していた。彼等は16バーにかなりの思いを込めている。単語を使うのにもどの単語を選ぶのか慎重。私もこのブログではそんなに気にしていないけれど、字数制限のある雑誌の場合はかなーーーーり慎重に単語や言葉を選んでいる。こっちとこっちの方がしっくりくるかな?と積み木状態。そんな彼等の話を聞いて、涙が出そうになった。彼等がそんな言葉を書き留めているノートも個性そのもの。他にもKRS-Oneがフリースタイル対決での勝ち方とか、アイス・Tがステージで歌詞を忘れた時の対処法とか超面白い!!

DVDは買いです。クレジットされてませんが、トゥー・ショートとかジム・ジョーンズの削除されたインタビューとかも見れますので。

ただ...ただ...5点満点から0.25点削ったのは、南部が削除されていた事!!Bun Bだけだったもんね。南部ラップとしてという登場でもなかったし。アイス・Tは南部ラップは好きじゃないんだろうねーと思い悲しくなりました。スカーフェイスにはインタビューしても良かったのでは??とも思う。後、やっぱりジェイZとか、グランドマスター・フラッシュが居ないのは違和感あるかな?LLクールJは、昔のビーフで仕方ないにしても。でもキューブとTの両アイスが語っているのは泣けましたね。しかもキューブが若いころにTから貰ったアドバイスをまだ覚えていて、それを自分の所に来る若い奴等に聞かせたいと... はい、涙来たー!!

アイス・Tが自分で語った通り、アイス・Tにしか撮れない最高のラップ・ドキュメンタリー!ちなみにタイトルの「Something from Nothing」は、ブランド・ヌビアンのロード・ジャマーが冒頭で語った言葉。「俺達は何もない(何も持てない)所から、何か(素晴らしい芸術)を生み出した」という事。はい、涙来たー!!

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(4.75点/5点満点中:9/21/12:DVDにて鑑賞)