A Mother's Prayer / 日本未公開 (2009) (Video) 899本目
映画だと思って手に取ったんだけど、見たらタイラー・ペリー系のミュージカルの舞台でした。と言うか、もうそれが全てなんですよ。タイラー・ペリーの舞台の真似。でもタイラー・ペリーの舞台とは違って、ジョニー・ギルという素晴らしいシンガーと、ロビン・ギビンスという素敵な女優が出演している。タイラー・ペリーの舞台にはシェリル・ペプシ・ライリー位ですかね?元々有名な人というのは。でもこの舞台を制作したのはアルヴィン・ムーア・ジュニアという25歳の若者。タイラー・ペリーがマディアというおばあちゃんなら、こちらはグランプスというおじいちゃん(まあグランプスがお爺ちゃんの意味だけど)。同じようにキリスト教の教えを元に、物語を解決していくのです。ジョニー・ギルが牧師で3人の子供の父親。その妻をロビン・ギビンスが演じているのです。他のキャストは歌うんだけど、ロビンだけは歌いません!残念、ちょっと聴いてみたかったかも。歌は苦手なんでしょうね。ジョニー・ギルはゴスペルから「マイ、マイ、マイ」までがっつり歌います!まあ「マイ、マイ...」は、ドラマ上じゃないですけどね。
このDVDは本編よりも、特典映像のインターミッション中の映像がおススメです。ジョニー・ギルはそこで「マイ、マイ、マイ」を歌ってます。素晴らしいサービス精神なんですよ。ジョニーはニュー・エディション時代から、プロ意識が強くて、それが逆に冷たいんじゃないかな?という印象があったんですが、とんでもない!観客が欲しているものに敏感に反応して、それを見事に提供してくれるのです。凄いです。さすがです。それが業界で長く続いている秘訣でしょうね。ジョニーだけでなくて、このインターミッションの映像が面白いのが、観客の反応。ジョニー・ギルも途中で観客に「マイ、マイ...」を歌わせてましたが、アルヴィン・ムーアがサム・クックの「A Change Is Gonna Come」を歌い始めると、前に居たおじいさんがアルヴィンからマイクを奪って歌い始めてしまうのです。そのおじいさんの上手いこと!こういうノリの良さが黒人の観客は突出してますよね。久々に90年代の「デフ・コメディ・ジャム」の観客のノリを見た気がしました。あれ以来、なんとなく黒人の観客のノリが冷めすぎていたのが気になっていたのです。「デフ・コメディ・ジャム」の新しいシリーズが成功しなかったのは、確実に観客のノリが冷めていたとの司会者のマイク・エプスがそれを盛り上げられなかったのが原因。ここに居たか!という感じ。今は都会の人々は冷めてきて、こういう田舎の方が熱いのかも?と感じましたね。こういう人々が、教会を支えているんでしょうね。
上手いと言えば、ジョニー・ギルの演技も中々でしたが、一番上手かったのが一番小さいDJ役の子役!台詞は確か1つか2つ位だったと思うけれど、それ以外は見事に寝たふりしてるのです。「お父さんが帰ってきた!」という台詞を言った後、それは実際にはお父さんじゃなくて、その台詞がお母さんを発狂させてしまうのだけど、その後が見事なんですよ。あまりにも見事で観客から笑いが出てしまった程。この子は凄い!
まあでも25歳でここまで出来るのは凄いです。感想では厳しく書いてしまいましたが、頑張って欲しいと思う。いや頑張ってる。続けて欲しいね。
(3.25点/5点満点中:DVDにて鑑賞)