Boss Nigger / 日本未公開 (1975) 683本目
週末の私のマンダムな愛人フレッド・ウィリアムソンです。いや、本当に思うのですが、ブラックスプロイテーションを見るなら週末の夜中がベスト。大人の色々な柵から解放された週末に是非お楽しみいただきたい。もちろん私とフレッドの仲はプラトニックで一方通行ですが...きっといつか出会った日には、フレッドのマンダムな懐の深さで私をも包み込んでくれると思いますわ。って、この映画でも一人モテモテなんだもん。だって彼が脚本書いてるんだもん。
と、随分目を引くタイトルですね。「The Legend of Nigger Charley / ブラック・サンダー (1972)」と「The Soul of Nigger Charley / 荒野の襲撃・人質救出大作戦 (1973)」という作品もあるこの「Nワード」シリーズではサイドキックにダーヴィル・マーティンを従えています。でもその「Nワード」シリーズでもこの作品だけ異色。他のは「Nワード・チャーリー」シリーズです。でも同じくウエスタン。この作品だけなぜか正式にDVD化されています。そしてDVD化された時にフレッド・ウィリアムソンが「Nワード」をタイトルから除いた理由と、使用していた事の謝罪を入れております。目立つ為にやったと...後悔しているとの事。あの白人のコメディアンのマイケル・リチャーズから始まった「Nワード」騒動は2007年の頃。このDVDが出たのが2008年。本人も色々と考えたんでしょうね。この映画の中でもかなりの確立で「Nワード」が飛び出します。と言うのもこの映画の舞台となったのが、ポスターにもあるように「白人達の町」なのです。賞金稼ぎとしてフレッド・ウィリアムソンとダーヴィル・マーティンは色々な町に流れついていたのですが、途中で黒人親子が襲われている場面に遭遇。身内のいなくなった黒人の女の子クレア=メエを救い、彼女の知り合いのメキシコ人が居るというその町に辿りついたのです。しかしシェリフは市長の企みにより殺されておらず、市長のやりたい放題。しかしその市長は自分では何も出来ない腰抜け男なのです。そこで登場するのが...そう、ブラックスプロイテーションの名物白人悪役のウィリアム・スミス。市長を巧みに操ってお金や権力を手に入れようとしている男です。「Hammer / ハンマー (1972)」でも2人は共演して対決を見せてくれてましたね。今回もやってます。
ラストシーンが孤独な賞金稼ぎな雰囲気が出ていて最高。これまた台詞もマンダム。そんな所が少しマカロニウエスタンぽくあり、でもやっぱり少し違う。音楽がファンク過ぎる。ブラックスプロイテーションでもあり、でもやっぱりちょっと違う。不思議な作品ではありますが、中々の線をいっています。確かに「Nワード」は多すぎだ。しかしそれを逆手にとってダーヴィル・マーティンが「ボスはどこだ?」の台詞で住民が分からない表情する。とっさに「Nワード・ボスだよ!」というと住民は分かってしまう。ふとした所に「Nワード」を使った意味は感じる。でもやっぱりそれが良かったかどうかは別。時を経て、フレッド・ウィリアムソン自体も変わったという事が重要なのかもしれませんね。
(4.25点/5点満点中:DVDにて鑑賞)