もう号泣。割りとレブロン・ジェームスには興味無かったんですけどね。ほら、私ったらプロよりもNCAAの大学のトーナメントの方が好きなので、大学出てないプロ選手はイマイチ好きになれないんですよね。だからコービーのアンチなのかも??でもこのドキュメンタリー見て印象変わりました。もっと自己中なのかと思えば、そんな事全然無かった。このドキュメンタリーにしても、レブロン・ジェームスだけ追ってたって良かったんだけど、それは嫌だったみたい。
と映画の事の前に...前に読んだ本がありまして。ここでもBETで取り上げられた時にも紹介したんですが、ニュージャージーのゲトーに住む3人の男の子が医者になるという同じ目標を掲げて、3人でその目標に向かって励ましあい頑張るという本があるのです。私が見つけたのは子供向けだったのもあって簡単な本なのですが、大人の私が読んでも頑張るぞ!と思わせてくれる良い本でした。その本がこれ↓。
We Beat the Street: How a Friendship Pact Led to Success
- 作者: Sampson Davis,George Jenkins,Rameck Hunt,Sharon Draper
- 出版社/メーカー: Puffin Books
- 発売日: 2006/04/20
- メディア: ペーパーバック
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レブロン・ジェームスだけが主役じゃありません。ドリュー・ジョイス・3世、シアン・コットン、ウィリー・マッギーも主役。ジェイムスを含めた4人が小さい頃から同じバスケットボール・チームで活躍していた。コーチをしていたのが、ドリュー・ジョイスの実の父ドリュー・ジョイス・2世。息子の為にと、フットボール選手でバスケットボールはやってなかったのに、コーチに就任。そこで4人が出会い、徐々に活躍していくのです。AUUというアマチュアのバスケットボールに出場。コーチとコーチの奥さんがオハイオからマイアミの会場まで車2台で連れていきます。でもお金なんか集まらないから、自分達で色んな事をして資金を調達。なんと勝ち進み、決勝まで進んだけれど、決勝で戦うのがサウス・カリフォルニアチーム。彼等はナイキからスポンサーされる程の有名チーム。レブロンたちのチームは完全に負け犬チーム。最後は2点差まで引き寄せて、レブロン・ジェームスがボールを持った...今のレブロンなら華麗に決めて同点にするでしょうね。でも外して負けてしまうのです。でもその悔しさを糧にしたのですね。
高校に進む年になると、彼等は面白い選択をします。地元の友人が通う黒人が大多数の高校に進むとみんなが思っていた時、ドリュー・ジョイス・3世はセント・ビンセント=セント・メアリー高に進む事を決心した。理由はそこでコーチをしていたダンブロットなら彼にチャンスを与えてくれると思ったから。というのも、ドリューはバスケットボール選手にしては身長が低く、コンプレックスを抱えていたのです。他の3人もドリューの選択を信じて4人揃ってセント・ビンセントに進むのです。セント・ビンセントは主に白人の子供達が通うので、地元の黒人は絶望したらしいです。で、そこで出会うのがロメオ・トラビス。もう4人の強い結束が出来ていた為、ロメオは居場所の無さを感じて、やたらと4人に逆らうのです。バスケットは5人がスターターなので、他の4人がレギュラーとなるとロメオは益々居場所が無くなってしまう。しかもロメオも自分が良い選手というプライドもある。若い男の子達が反発しあう。その瞬間もカメラに収めてあって面白いんです。レブロン等が1年の時にディビジョン3で優勝。2年の時もまたまた優勝。しかし、3年になる前に信頼していたコーチのダンブロットが大学からの誘いを受けて、居なくなってしまう。そしてレブロン達4人とロメオは益々対立。4人のコーチをしていたドリューの父の2世がダンブロットの後を受けて、高校のコーチに就任。色々な変化がある中でチームは分裂。簡単に優勝出来ると期待されていたが負けてしまう。しかしこの負けが彼らを変えていくのです。
次の年にはレブロン・ジェームスがバスケットボールの専門誌「Slam Magazine」の表紙を飾ったり、「スポーツ・イラストレイテッド」の取材を受けたりで、レブロンへの取材が過激化。期待を集めながら負けたことでの苦汁をなめる思いをした彼等は、ロメオとの仲も改善。4人はロメオを受け入れて「Fab 5」として再スタート。しかしやはり問題が徐々に起きてしまう。レブロン・ジェームスが乗っていた高級車ハマーのお金の出所についてマスコミが追求。お陰で試合に出れなくなってしまうのです。その問題も乗り越えていくのが、他の4人。ここで私は号泣。これが作られたお話なら「出来すぎでつまらない!」と文句言っていると思うんですが、これは全て真実。泣くね。今や、キング・ジェームスなんて呼ばれているスーパースターのレブロン・ジェームスだって、色んな山を越えて、悔しさを経験してきてるんですよね。こういうストーリーがあるのが彼の魅力。コービーとは違うでしょ?
ちなみにこの監督はこの映画がデビュー。というのも、ロサンジェルスのロヨラ・マリモント大の映画科で学び、その卒業制作で10分間の映画を作らないといけない。そこで思いついたのが故郷のオハイオ州アクロンの高校生達が活躍しているなーと思い、彼等を題材にドキュメンタリー映画を作ろうと思ったのがきっかけ。ドリュー・ジョイス・2世コーチに掛け合うも、どうせレブロン狙いだろう?と思われて拒絶。でも違う事を証明。最初は練習の1日だけを公開したけれど、監督のお行儀の良さに信頼するようになったらしい。結局7年半も彼等を追ったとの事。
この映画でもう一つ関心したのが、音楽。元々この映画にインスパイアされたサントラ集は評価が高いけれど、この映画の中での音楽の使い方も粋。音楽のかぶせ方とか、セレクションとか上手いのです。The Underdogsのハーヴィ・メイソン・ジュニアが担当。予告を見てやる事を決めたそう。
ポスターも好き。他の4人の影がレブロン・ジェームスになっていくんですよね。素敵。
いい大人だって泣くに決まっているから、とにかく見て欲しい。バスケファンならなお更。というかさ、NCAAトーナメントも始まるしさ(確か明日がトーナメント表の発表)、3月バカ(March Madness)の皆さんなら見て欲しい。ここには収め切れていない面白いストーリーがもっとドキュメンタリーには詰まっております。普段レブロンが見せない表情もね。
(5点満点;3月馬鹿な者ですから...DVDにて鑑賞して号泣)