インディペンデンスのサスペンスです。主役は「アンダーカバー・ブラザー」のシスタ・ガールや「レイ」ではメアリー・アンとか演じていたアンジャンヌ・エリスです。物凄く私好みの女優さん。ナチュラルなんですよね。不自然な自然さじゃなくって、本当に無理してない自然さ。この映画の中でも「カツラもつけないで...」と言われると「私はいつもカツラなんてつけてないわよ!」と吠えます。カツラという私の訳は巧くないですが、黒人女性ならウイッグやらエクステンションやら、色々とあると思います。メークとかもナチュラルで本当に綺麗だと思いますわ。頭も悪そうには見えないですし、きっと女性が好きな女性のタイプなんだと思います。
映画はそのアンジャンヌ・エリスが殺人の容疑で捕まっている所から始まります。ただ彼女は無罪を主張していて、刑事役のルー・ゴセット・ジュニアに話をする所から始まるんです。その時点では、殺されたのが誰なのかも分からないんです。あれ?あの人が殺されたのかな?とずっーーと思って見ると結構裏切られます。設定が上手い映画でしたね。先日も書いた通り、エイズ問題もチラっと出てきたりします。そして新しい分野の話も出てきます。これは言ってしまうと、ネタバレになるので詳しく書きませんが、最近では割りと知られている事らしいです。というのも、うちの夫にこんな映画を見たと話していたら、「あ、それ知ってるよ、DLって言うんでしょ?」と言ってました。えー、何で知ってるの??怪しいと夫を疑ってみたくなりました(笑)。新しい世界のドアが開きましたよ。ある所には色んな世界があるんだなーと思いました。あの「目に何かついてるよ、吹いてあげようか?」の台詞は実際にあの世界で使われている言葉なんでしょうか??知りたいような、知りたくないような。
で、レオンが出てきます。ここでもなぜか歌手役です。歌手役をやらせると天下一品ですね。このレオンの妖艶さが、この映画の鍵。どーしようもない男で自己愛が強いから嫉妬深い。素晴らしいです。後、お父さん役の人も良かった。エロい爺なんですが、それもこの映画の鍵になってるかもしれないです。ポーラ・ジャイ・パーカーが出てるんですが、何か化粧の仕方がちょっと変でした。肌がボロボロなのが分かってしまうメーキャップで、そこで何か現実に戻ってしまいました。彼女らしい役ではありましたが。
監督はビル・デューク。「カー・ウォッシュ」等で俳優としても知られている人です。監督作品だったら「レイジ・イン・ハーレム」とか大好きです。今回も彼らしいダークな感じでしたが、ちょっと分かりにくい部分とかもあったかな??ヴィヴィカ・A・フォックスはこの映画に要るか?とも思いました。彼女の思い込みだけで色々と出てきますから...余計にややっこしくしてるんですよ!そう言えば、歌手のマイヤも出ているんですが、恐ろしい位に存在感も演技力も無かった。
中々面白いテーマでのめり込んでしまう映画ではあったんですが、今一歩踏み出せない何かがある不思議な映画でした。素直に面白い!って言えないんですよね。エイズ関係も親子関係も夫婦関係も、なぜに彼らはDLでなければならないのか??今一歩踏み込んでない感じで途中で終わってしまった感じがしたからかな??
感想はこちら。
(3.75点/5点満点中:DVDにて鑑賞)