「シティ・オブ・メン」を見た勢いで見ましたー。たまには勢いも大切だよね。
「シティ・オブ・ゴッド」、「シティ・オブ・メン」と続き、ブラジルのスラムはどうなっているのか私の探究心に火が着いちゃいました。特に「シティ・オブ・メン」は90年代のブラックムービーを思わせる内容だっただけに、気になってしまったんです。「シティ・オブ・ゴッド」や「バス174」の衝撃、そして「シティ・オブ・メン」での希望。この「ファヴェーラの丘」は希望と前向きで一杯です。まだまだ問題は山積みだけれど、そういう前向きな希望を見せられたことで「頑張れよー!」と素直に応援出来ます。
このドキュメンタリーは当初、ブラジルのホテル富豪やブラジルの女優さん等にもスポットを当てる筈だったそうです。しかし、ファヴェーラに生まれ育ったアンデルソン・サーが始めた音楽ムーブメント「アフロレゲエ」の一つに絞ってカメラで追って行きます。「アフロレゲエ」は自分たちも自ら音楽活動をしながら、ファヴェーラに住む子供たちにドラムを教えています。ドラムと言っても、ドラム缶だったり、プラスチックの入れ物だったり... でも子供たちは楽しそうに叩き、そして踊ります。この時ばかりは、暴力と常に隣り合わせになっているとは思えない表情なんです。子供が子供らしく居られるそんな空間のような気がします。でも、途中でアンデルソンが子供を話していると、一人の男の子は「学校なんて無意味だ。僕は将来ドラックの売人になるのが夢なんだ。」とアンデルソンに強がります。アンデルソンはそんな事ない、学校に行って...と語りかけますが、男の子は去ってしまいます。アンデルソンが残った子供たちを話している風景を、その男の子は振り返って見つめるんです。重いシーンですね。
1993年に結成されたアフロレゲエ。当時は150人のドラック売人がファヴェーラに存在していたそうだが、2002年には25人まで減った。「ムーブメントを成功させるには、そこに住む人達から変わらないとダメなのだ」というアンデルソンの言葉通りだと思う。
所で「シティ...」の2作品とこの作品等を見ていると、ファヴェーラには黒人系のブラジル人だけでなく、白人系のブラジル人の存在もあるように思える。このドキュメンタリーのインタビューで仕切りに「ブラックブラジリアン」という言葉を目(英語字幕だったので)にした。その言葉に違いを感じた。はっきりとは言いませんが、その言い回しに何か感じる物がありました。
感想はこちら。
(5点満点:DVDにて鑑賞)