この映画、実は夫に「持ってる?」と聞かれて、そういえば見てない事に気がつきました。なんでも夫の周りでは非常〜〜〜に評判が良いらしく、物凄く薦められたとの事。見た後になるほどなーと思いました。彼等が好きになる要素はたっぷりある。私のような第3者から見ると、かなりプロパガンダな雰囲気を物凄く感じるのだけど、アメリカ人の当人達の目から見ると面白いのかなーとは思った。またサウジアラビア人の当人の目から見ると「ふざけるな!」とも思うだろうし... まー、アメリカ人の上から目線が気になるって言えば気になる。自分達が優れていて自分達が全てを解決するんだ...みたいな上から目線がね、ちょっと...
でも珍しく全てのサウジアラビア人を敵として描いていないので、その辺は少しは評価されてもいい所。ま、そここそが上から目線と思われるかもしれないけれど。お互いが理解し合えば、どこか協力してどうにか出来るんじゃないか?とも思わせるのだけど、お互いがみんな死んじゃえばいいと思っている中で憎悪の悪循環が起きている。ラストの主人公達の表情に、もうお互いの理解を求めるのは無理なんじゃないかって、虚しくもなりました。でもサウジアラビアの場合は国レベルの戦いというより、ビン・ラディンを作り出したアメリカの強欲っていうのが問題だとも思うので、この映画のテーマともちょっと違うのかな?とも思う。
1932年にサウジアラビア王国が出来てからのアメリカとの関係。上手くオープニングでまとめられていると思います。その関係は今に始まった事ではない。監督のピーター・バーグは、月曜日にはフットボールに夢中になるアメリカ人男性が喜びそうなアクション映画を上手く作ると思います。その主役がジェイミー・フォックス。もちろん彼は黒人であるけれど、この映画にその彼の肌の色は全然関係ない。でも、ジェイミー・フォックスという俳優のもったユーモアは必要であり、その個性がこの映画でも生かされている。自分の故郷である「テキサスのテレル」なんて出してみたり、アル・ガージーが夕食には女性は来れないというシーンで、さりげなく逃げるシーンは面白い。まー、何より仕事を終えた男が飛行機に乗り込むシーンの背中がやたらとカッコいい。いやカッコいいだけじゃなく、その仕事への虚しさも感じる背中。後、クリス・クーパーが演じた捜査官も「Blue Streak」のウィリアム・フォーサイス的で、映画のいいクッション的存在でいい。
FBI捜査官じゃなくって、ミリタリーが主人公だったら、また全然違った映画になったんでしょうね。
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(4点/5点満点中:DVDにて鑑賞)