Cast >> Chiwetel Ejiofor (Okwe), Audrey Tautou (Senay), Sophie Okonedo (Juliette), Sergi Lopez (Sneaky/Juan), Benedict Wong (Guo Yi) ...
Director >> Stephen Frears
Writer >> Steven Knight
Producer >> Robert Jones, Tracey Seaward
Genre >> Thriller
Country >> UK
総合ポイント >> 5／5点満点
Contents >> 5 Performance >> 5 Direct >> 5 Music >> 5
Heart of Okwe
オクウェ（キウェテル・イジョフォー）は、不法移民としてロンドンに滞在し、昼はキャッチタクシー夜はホテルのフロントで働いていた。同じ不法移民でトルコから来たシェナイ（オドレイ・トトゥ）と同居し、互いに移民局からの執拗な捜査から逃れる手助けをしていた。そんなある日、ホテルの部屋のトイレから人の心臓を発見したオクウェは...
イギリスに蔓延る問題点をサスペンスを交えて上手く作られたドラマである。不法移民という弱みを握った者達への容赦ない搾取。心だけでなく体まで蝕んでいく。主人公のオクウェは、心臓を手にした時から、辛い思い出したくない... いや思い出してはいけない過去を振り返らなくてならない。また、その心臓を手にした瞬間にオクウェは、人の心臓だと分かってしまう。それによって、観客もオクウェの過去を知る事になる。そして、搾取するホテルのボスであるスニーキーという男も、オクウェに興味を持ってしまう。でも結果的には、オクウェに取っても過去を清算するきっかけになったのが、その心臓だったのかもしれない。
またオクウェと同じ不法移民であるトルコ人のシェナイの関係も面白い。所謂インターレイシャルカップルでありながら、他の映画のそれらの描写とは全く異なっている。それら皮膚の色の違いを映画の中で感じる事もない。
そしてキウェテル・イジョフォーの演技を見ているだけで、主人公の過去と感情が分かるのがスリリングで、ドキドキさせられる。あの完璧までな正義感こそ、彼の過去を感じ、その過去の経験から、彼の行動が慎重になっているのが容易に分かる演技だ。
搾取される者と搾取する者が存在する容赦ない世の中。オクウェが心臓（Heart）を手にした瞬間から、観客はオクウェ...そしてそれを演じたキウェテル・イジョフォーに夢中になり、心（Heart）熱くなる物語に釘付けになる。
(12/6/07：DVDにて鑑賞)
