SOUL * BLACK MOVIE * ブラックムービー

ブラックムービー、ブラックスプロイテーションなどについて

An Inconvenient Truth / 不都合な真実 (2006) 127本目

はてな年間100本映画クラブ

アル・ゴアはオスカーの隠れた主役でしたよね。主題歌賞も、確実視されていたドリームガールズじゃなくって、この映画だったのも、ま、それだけハリウッドという所が、デモクラティックなんだなーと思い、そんな点がはっきり分かる所も今回のオスカーが面白かった点でしょうかね?

このアル・ゴアっていう人が、大統領になっていたら... って今でも考えるんです。そしたら出だしから「私が次期大統領だった訳ですが...」と登場し、会場が大笑いすると「何が可笑しいの?」ってコメディアン並に掴みはオッケーなアル・ゴアです。前々から頭のいい人は、説明も分かり易くて上手だと思っていたんですが、このアル・ゴアもそうですね。難しい言葉は敢えてあんまり使いません。科学的な難しい単語ばかりかなーって、少し見るのを躊躇したんですが、私でも十分に分かる言葉で、温暖化について説明してくれます。日本人には、オゾン層の事とか知っている事が多いけれど、そういうのもアメリカ人はあんまり知らされてないようなので、温暖化によりグリーランドや北極の氷が溶け出して... そしたらアメリカの町はこうなるかもしれないって言った時に、思わず観客が驚きの声をあげる... それがね、アメリカ人だと思うんですよ。知らないんですよ、この温暖化の事を。
それでアル・ゴアが言う「もちろんテロは怖い、けれど今温暖化問題をこのままにしておいたら、やってくると分かっている目の前のこの危険な事に対して、どう対処するんだ」と。完璧に、ブッシュ政権批判ですよね。

とはいえ、こういう事を正しく人に伝えるというのも難しい事。アル・ゴアはこの講演会や、各国の首脳達とこの問題について語り合ったりと、正しい事をしているのに、そんなアル・ゴアでさえ、アル・ゴアの住んでいる豪邸は一般家庭の2倍の電力を使っていると批判されてしまう。正しい事を正しく伝える難しさを感じる。けれど、アル・ゴアは言う「Doing right things move us forward」。確かに、アル・ゴアの行った正しい事は、私達を一歩前進させたように思います。

(4.75点/5点満点中:DVDにて観賞)