『グローリー』っていう映画あるじゃないですか?1990年の映画で、モーガン・フリーマンとデンゼル・ワシントンが共演しているっていう、盆と正月とクリスマスにバレンタインまで来ちゃった系の映画。その映画でデンゼルは鞭打ちに耐え、待望のアカデミー賞の助演男優賞を初受賞した訳ですが... どうも好きじゃないんですよね。いや、デンゼルもモーガン・フリーマンもケイリー・エルウィスもアンドレ・ブラウハーもロンリコ・リーも素晴らしい演技だった。けど...さ...っていう何か腑に落ちない感じなんですよね。史実とかけ離れているというか、何というか... という訳で、『グローリー』で一躍注目を集めた黒人部隊第54マサチューセッツ歩兵連隊を描いたドキュメンタリー映画。
ナレーションは『グローリー』にも出演していたモーガン・フリーマン。いつだって聞き取りやすいモーガン・フリーマンの丁寧な発声で、重厚に部隊について語られていく。面白いのが、実在する兵士や関係者の言葉が、著名な俳優によって演じられている所。黒人の奴隷廃止論者でジャーナリストのマーティン・ディラニーの声をローレンス・フィッシュバーン、ボストンのリポーターの声をエリック・ラサール、黒人の活動家で指導者だったフレデリック・ダグラスの声をカール・ルンブリー、そのダグラスの長男でこの部隊に参加したルイス・ダグラスの声をブレア・アンダーウッドと、このメンツで映画も観たくなるような豪華さ。
で、兵士の孫たちが祖父から聞いた話という事でインタビューを受けているのだけど、孫ももう良いお年頃。でもみんな品があるなーと。皆さん、品があって意識高い系のおじいちゃん・おばあちゃんでした。遺伝子レベルで優秀なんだろうなーと。
内容的には、特に珍しい事も語られていませんが、史実そのものを語っているので、この部隊について知りたい人にはうってつけ。とてもPBSらしい、真面目な作品です。
The Massachusetts 54th Colored Infantry / 日本未公開 (1991)(1566本目:4.5点)