スターを陥れるアクションスリラー映画『Sleepless』
今やオスカー俳優となったジェイミー・フォックス主演の『Sleepless / スリープレス・ナイト (2017)』。フランス映画『スリープレス・ナイト』という作品のハリウッドリメイク作。フランス映画の方は残念ながら観ていないが、リメイクされる程なので恐らく面白い作品だと思う。けれど、このブログを今読んでくれている方の7割が、「へー、ジェイミー・フォックス、そんな新作あったんだ」的なリアクションだと思う。この映画の話題や評判は、SNS広しといえど、あまり見かけない。
この作品はとても派手なラスベガスを舞台に、主人公の刑事(ジェイミー・フォックス)が汚職刑事な感じを匂わせつつ、大事な息子が誘拐されてしまい...「はー、どっちなの?悪?善?何?息子イキロ!ダメ親父頑張れ!」というスリル感とラスベガスの煌びやかさと派手なアクションを楽しむであろうアクションスリラー作品。正直、既視感バリバリの作品でもある。まあ良くあるタイプだよね。でも良くあるだけに上手く作れば面白い。何度そのスリル感を味わっても面白い作品は面白い。『ワイルド・スピード』シリーズなんてそうじゃないですか!毎回、大体の大まかなストーリーは一緒。仲間割れとか、新しい仲間が加わってとか、たまに仲間を失ったり、でも俺たちずっとファミリーだよな!っていうアレ。でも面白い。毎回スリリング。分かっているのに面白い。だからこそ、男性スターはアクションスリラー映画やりたがる。アクションも出来る所見せれば格好良く見えて人気アップだし、演技力も必要だし、何しろ成功すれば面白くなるし、興行成績も期待出来るからお金ガッポガッポだから。とりあえずビール的にみんな成功した後絶対にやりたがる。
実際にこの映画のジェイミー・フォックスは、マイケル・マンとかデビット・エアーの刑事ドラマぽいこの映画の雰囲気にどっぷりとハマっていたし、アクションも決まっているし、見栄えも良くて最高に素敵。カッコイイ。
これ観た後に思ったのがハリソン・フォードの『逃亡者』とか分かっているのに面白かったよなーと。この映画、どうも「もっと上手く作れた筈なのに」とついつい思ってしまう作品なのでした。脚本の爪が甘い。トイレの黒人おっちゃん、あんなにアッサリと白人女性刑事に絶対にチクらないぜ!普通は!!!密告者は黒人コミュニティで生きていけない文化なめるな!と言いたい。
Sleepless / スリープレス・ナイト (2017)(3点:1527本目)