やっと観れた!インディゴーゴーで献金を集めて制作されたこの作品。私も少しばかり献金(多分、ドンとユアンのコーヒー代くらい)。献金者には先行でネット配信で観れるタイプを選んだ。ので、先行で観られる筈だったが、どうやら映画会社との契約上の関係だったが、法律だったか...で、先行配信はダメになった。ので、各地での劇場公開時に招待に切り替わった。が、うちには来る事がなく...(´・ω・`) 来ない人にはドンのサイン入りDVDを!という事だったのに、それも来る事もなく(´・ω・`)。で、やっとDVDが発売!された!!と思ったら、私が色々な事情で忙しくて見れず...(´・ω・`) んもう(ノД`)・゜・。しかも、ドン・チードルが10年掛けて作った事を知っている(これが一番最初の記事)。ドンにマイルスの映画を作らせてあげたかった。だからこそ、いち早く観たかった...
という事で、ドン・チードルが主演・監督の渾身のマイルス・デイビス映画。マイルス・デイビス自伝映画ではないが、れっきとしたマイルス・デイビス映画なのですよ、これは!!半分が本当にあった事で、半分がフィクション。登場人物も半分が実在の人で半分が作られたキャラクターという中で、マイルス・デイビスという人が描かれていく訳です。という訳で、オーソドックスではない変わり種の作品なので、ウルサ型の人々には嫌煙されている。「これは自伝映画じゃない!」とか「なぜわざわざこの時代(仕事していない)のマイルス・デイビスを描くのだ!」等々。まあそういう人たちの意見が分からないでもない。それでもこれはやはり「マイルス・デイビス映画」なのだ。実際にはこのような事はなかったかもしれないが、マイルスの音楽に対する姿勢や愛情がたっぷりと伝わってくる。そしてマイルスはどのように感じて復活するまでに至ったのか?この映画はその過程ではなく、マイルスの心情をより重く深く描いているのだ。この部分は本当に上手い!マイルスのファンならアノ人の名前がアレで涙出ちゃうかも。
マイルス・デイビスという偉大なジャズミュージシャンは様々なアート形式で語られるべき人物。というのも、様々なアートに影響を及ぼした人物なのだから。映画でマイルスというと、一般では『死刑台のエレベーター』や『ジャック・ジョンソン』ですが、私は『Symbiopsychotaxiplasm: Take One / 日本未公開 (1968)』を思い出す。この一風変わった実験的なドキュメンタリーは、マイルス・デイビスの「イン・ア・サイレント・ウェイ」なしには実現などしなかった。この映画でのドン・チードルのマイルスはフィクションも付け加えた事でエンタテイメント性に優れていて、本当にアッという間に時間が過ぎてしまう。ここで描かれた事は、マイルスならやりそうだと正直思った。だからやっぱりマイルスの全てが観たかったとも正直思ってしまう。もう『ルーツ』とか『ロード・オブ・ザ・リング』並の大作でドン・チードルによる完全版マイルス・デイビス物語が観たくてたまらなくなるのだ。
そういえば、ドン・チードルがこんな事を2012年に語っていた。「マイルスが出たくなるような作品にしたい」。なるほど、そういう作品だったのだ!(4.5点/5点満点中)
Miles Ahead / MILES AHEAD/マイルス・デイヴィス 空白の5年間 (2015)