この前の『Spirit of Youth / 日本未公開 (1938)』のDVDにおまけとしてついていた映画。その『Spirit of Youth』にも出演していた、30-40年代に活躍した喜劇俳優Mantan Moreland / マンタン・モアランドが主演。当時人気だった中国系の警察「チャーリー・チャン」シリーズでの運転手役でも知られている。余りに有名で、彼の特徴でもあるギョロっとした眼と怖がりというのが、黒人のステレオタイプとなってしまった程である。そしてその相棒を演じたのがフローノイ・ミラー。彼等の敵ぽい役を演じるのがメイセオ・ブルース・シェフィールド。このシェフィールドという人、とても体が大きい。なんでも元警察官で、LAの黒人文化の名所ダンバー・ホテルのセキュリティまでしていた。この3人は前年度の『Mr. Washington Goes to Town』という作品に出演していて、この作品はその続編的な作品。
なんていうか当時の黒人のステレオタイプをごっちゃ混ぜにして詰め込んだ作品ではある。「お化けメッチャ怖い」「クラップ好き(サイコロの賭けゲーム)」「クラブで女性がセクシーに歌う」「チキン盗みがち」などね。この時代の映画には、かならず女性シンガーがクラブで歌うシーンがある!という事で、この映画でもそう。その歌い手さんがフローレンス・オブライエンという女性。ルックスも骨太な感じが、当時の女優さんを思わせる。笑い方が林家パー子並みの特徴があって、同じようにイライラさせるwww でも当時人気の喜劇女優さんだったらしい。クレジットを見ると、『Stormy Weather / ストーミー・ウェザー (1943)』や『Cabin in the Sky / キャビン イン ザ スカイ (1943)』なんていう有名どころにも出ていたらしい(ただし彼女のクレジットはなかったらしいが)。
そしてタイトルでもあるようにゴースト...お化けがこの映画のキー。ナイトクラブの目の前にあるお墓に眠るのが、クラブオーナーのご先祖様たち。最近、オーナーはふざけているし、何しろうるさいので嫌がらせするか!と、お化けになって出てくるのです。と言っても、お化けというか、骸骨www
主役のマンタン・モアランドがそのお化けというか骸骨に良いようにされちゃうんですが、そこでモアランドの真骨頂ですね。眼をギョロっとさせて、お化けというか骸骨をやたらと怖がり、そして背中を床につけてポンポンと動く...まるでブレイクダンスの原型のような凄い動きを見せるわけです。凄いですよ、これは。骸骨にも天辺ハゲをイジラレルかのように、残り少ない前髪をぐしゃぐしゃに撫でられている。
と、まあ昔の人の笑いの沸点は低いですよね。でも昔はきっと彼等は劇場で爆笑だったんでしょうね。とは思いました!
(3.5点/5点満点中:8/22/15:DVDにて鑑賞)