Big Fella / 日本未公開 (1937) 1388本目
という事で、先日に続いて最強・最高俳優ポール・ロブソンの映画をぉおおお!!先日の『Song of Freedom / 日本未公開 (1936)』に書くのを忘れてましたが、ポール・ロブソンがイギリスに渡って撮った作品です。2作品とも。というのも、ポール・ロブソンは自伝の中でこう語っている「俳優になりたての頃の私は、他の黒人エンターテイナーと同じで出演する映画のシナリオなどには無関心だった。大事なのは出演できるチャンスだった。しかも黒人が主役を貰えることなど千載一遇のチャンスだった」と。さらには「ミシシッピーからやってきた黒人がシカゴがいいところと思うように、私にとってはロンドンがいいところだったのである」と。ミシシッピーのジムクロウ法みたいな見える差別は無いシカゴだけど、実際には問題山積み!という事です。
とは言え、先日の『Song of Freedom』とは違い、エンターテイメント性に拘った作品。そしてこの時代の「悪い」慣習に沿った作品でもある。黒人が白人を助けるという、所謂マジックニグロ的な作品と思いきや...ラストが捻ってあって...でも最後の最後になんでそこでブラックフェイス?という後味の悪さ。ロブソンらしくないかなーと思う。ブラックフェイスさえなければ...
という訳で、先日の映画にも共演していたエリザベス・ウェルチという女優さんが気になりますよね。今回は前回よりも歌っている。しかもソロで。物凄く上手い。どうやらアメリカ生まれの女優さんなんだけど、なぜかイギリスに渡って活躍したらしい。彼女が歌う「ストーミー・ウェザー」も有名らしい。先日の映画では献身的で優しいポール・ロブソンの妻を演じていたけれど、この映画ではチャキチャキなクラブシンガー。良い感じです。ウェルチは1980年頃に一線から退き、2003年にロンドンにて99歳で他界。
ちなみにロブソンの実生活での奥様もチョイ役で出演。クラブで働く女性で、ロブソンに対して「あんな奴」的な怖い視線を送っている女性ですwww。
(4点/5点満点中:7/14/15:DVDにて鑑賞)