Gun Hill Road / 日本未公開 (2011)
Cast >> Esai Morales (Enrique), Judy Reyes (Angela), Harmony Santana (Michael / Vanessa) ...
Director >> Rashaad Ernesto Green
Writer >> Rashaad Ernesto Green
Producer >> Michelle-Anne M. Small
Genre >> Drama
総合ポイント4点/5点満点中
内容 >> 4 演技 >> 5 演出 >> 4 音楽 >> 4
"You didn't raise me!!"
エンリケ(イーサイ・モラレス)は、3年の刑を経て、家族が待つ”ガン・ヒル・ロード”沿いにある家に向かった。しかしその途中で仲間に呼び止められた。家に戻ると、家族が用意していたケーキは既に食べた後で、妻のアンジェラ(ジュディ・レイエス)も少しイラついており、大きく成長した息子マイケル(ハーモニー・サンタナ)はそそくさと友人と家を後にした。エンリケの居ないたった3年間で、彼等の家族は変わり、エンリケはなんとか居場所をみつけようとするが...
俳優もやっているラシャード・アーネスト・グリーンが、有名なニューヨーク大学の映画学科の卒業論文として制作した長編作品。サンダンス映画祭にて公開された。最近のニューヨークが舞台の作品は、アフリカ移民のお話が多かったが、これはヒスパニック家族の物語。お父さんのエンリケを演じたイーサイ・モラレスはプエルトリコ系、お母さんのアンジェラを演じたジュディ・レイエスはアフロ・ドミニカン系。その間に生まれたマイケルは、思春期を向かえ、性に目覚めたけれど、トランスジェンダーとしての自分と見つめ合っていく。そんなまだ16歳なのに、性マジョリティとして戦っていく。お母さんと2人で住んでいた時には、お母さんはすんなりと受け止めてくれたけれど、お父さんが帰って来た時に、お父さんは真っ向から反対する。ただでさえ、突然帰ってきたお父さんは居場所がなく、息子もどう接していいか分からない。そしてヒスパニックはカトリック教が多く、父も敬虔なカトリック教なのは画面から伝わるので、益々息子には理解出来ない。不安定な親子関係が絶妙に描かれている。そして家族を演じた3人の演技もお見事。
決してハッピーエンドではないけれど、やっと家族がまた一つになったんじゃないかと思えた。少なくとも父親が居なかった3年間の溝と理解していなかった部分は埋まったという希望が見えるラストが感動的。
(3/9/13:DVDにて鑑賞)