Cast >> O.J. Simpson, Patrick Ewing, Clyde Drexler, Marv Albert, Rex Beaber, Chris Berman, Connie Chung, Bill Clinton, Tom Brokaw ...
Director >> Brett Morgen
Writer >> Brett Morgen
Producer >> Laura Coxson, Mark Durand, Bradley Kaplan
Genre >> Documentary
Country >> USA
総合ポイント >> 4.5/5点満点
Contents >> 5 Performance >> N/A Direct >> 5 Music >> 4
Shakespearean tragedy
1994年6月17日、アメリカの人々はサッカーのワールドカップがシカゴで開催、そしてゴルフ界を長年牽引したアーノルド・パーマーの引退試合のUSオープン、そしてNHLの長年待たれたニューヨーク・レンジャーズの優勝パレード、そしてNBAのファイナルで、興奮する予定であった。しかし、その日にNFLのレジェンドであるOJ・シンプソンが銃を片手にLAのハイウェイでLAPDとの捕り物劇をはじめたのだった。アメリカのメディアは翻弄されていく...
OJ・シンプソンのあのブロンコでのカーチェイス劇の映像は未だに覚えている。日本では考えられないほど広い何車線もあるLAのハイウェイを独り占めするかのように疾走する白いブロンコ。あの日をセンチメンタルに細かく追っているドキュメンタリー。OJが逮捕されそうだと分かると、6/15辺りからマスコミは騒ぎ立て煽る。そして17日、ニューヨークでレンジャーズの優勝パレードが始まった頃に、LAPDからOJを逮捕する事が伝えられる。誰もがOJが素直に連行されると思っていたら、OJが失踪した事が分かる。OJは逃亡者となったのだ。その辺りから、アメリカのマスコミが混乱し始める。伝えたいニュースがあり過ぎたのだ。アーノルド・パーマーの引退ゲームをしめやかに伝えつつも、エキサイティングなOJの失踪劇を伝えたい。いつもは冷静なキャスターであるボブ・コスタスが苛立ち冷静さを完全に失う。そしてNBAのファイナルが始まろうとしている頃に、OJは友人に自殺を伺わせる手紙を残す。それをマスコミの前で発表する友人。ここで完全に人々はOJに釘付けになってしまう。そして、とうとうあのカーチェイス劇がお茶の間のテレビにライブで流されるのだった...
完全に現代のシェイクスピア悲劇である。お茶の間が釘付けにならない訳がない。「あの日」を巧みに再現していたので、あの日のように釘付けになる。
(10/21/11:DVDにて鑑賞)