これは出来ると聞いたときから見たいなーと思っていた作品。「Hotel Rwanda / ホテル・ルワンダ (2004)」のソフィー・オコネドーが主役のドラマ作品。南アフリカが舞台の作品で、アパルトヘイト時代にアフリカーナの両親の元に生まれた、実在する女の子サンドラの物語。両親が両方ともに白人でありながら、サンドラの見た目は黒人寄りだった。どちらかというと白人と黒人のミックスに多く見られる容姿で、髪はちりちりで肌の色はカフェオレ色。両親は南アフリカの小さな村で商店を営んでいるが、サンドラの母が黒人と浮気したという事実はない(と思う。映画ではちょっと微妙な描き方)。兄が居るが、兄は普通の白人であった。自分が黒人だと思ったことは無かったが、彼女が白人ばかりの学校に入った時に思い知らされる。周りにはいじめられ、しかも学校を退学させられてしまう。そこで両親はサンドラが白人であると認めて貰おうと、最高裁に駆け寄る。最高裁は学者を呼んで、白人のアフリカーナでも以前に黒人の血が入っていた事を知らない人も多く、もしそうだとしたらサンドラのような子供が生まれる可能性もあるという事で、最高裁はサンドラを白人だと認める。サンドラの父親は「サンドラはまた白人だ!」と心から喜ぶ。父からの勧めで、年頃になったサンドラは白人の男性と見合い。2人は街まで出てデートするが、連れて行かれるところが白人のレストランなので、ジロジロと見られる。絶えられないサンドラはトイレの窓から逃げてしまう。その時に助けてもらったのが、たまに両親の商店に来る黒人の男ペトリス。ペトリスの前では自然に振舞えたサンドラは、ペトリスに恋をするが、父親が大反対。サンドラは家を出てペトリスと駆け落ち。ペトリスの住む黒人地区で生活。ペトリスの母親にも良くしてもらって幸せな生活を送るが、サンドラは逮捕されてしまう。なぜならサンドラは「白人」なので、黒人移住区で生活するのは違法だったからである。
と自分の皮膚の色のせいで、人生を翻弄されてしまった女性の物語。南アフリカのアパルトヘイトやアメリカのジムクロウ法など、白と黒という単純な分け方で一方的な屈辱を与えるというどうしようもない法律への、科学からの挑戦状。サンドラの両親だって、もしかしたらサンドラのような容姿で生まれてくる可能性だってあった訳で... そのお父さんがサンドラを一歩でも白人に近づけようとスキンクリームを塗るシーンがとっても心痛む。何かで人を単純に完全に分ける事なんて出来ないという事。それは国籍とか性別とかも一緒なんですよね。
こちらに本物のサンドラと両親の写真あり。右上の小さな写真が本物のサンドラと、サンドラを演じたソフィー・オコネドー、サンドラの子供時代を演じたElla Ramangwaneちゃん。
(4.75点/5点満点中:DVDにて鑑賞)