Cast >> Albert Wagner, Delroy Lindo (Narrator) ...
Director >> Thomas G. Miller
Writer >> Thomas G. Miller
Producer >> Thomas G. Miller
Genre >> Documentary
Country >> USA
総合ポイント >> 4.25/5点満点
Contents >> 5 Performance >> N/A Direct >> 4 Music >> 4
His charm is one of his greatest gift.
5歳の時に書いた絵を見た母は「これを美術学校に送ったら、お前は特別な存在になるよ」と言われたが、その道を外れて牧師となったアルバート・ワグナー。50歳の誕生日にたまたま貰った絵の具をきっかけに絵を描き始めた。50歳にして独学で美術家となったワグナーのドキュメンタリー。
意地悪な人はこんな風に言うかもしれない。黒人の在り来たりな出世物語じゃないかと。私も意地悪だからそう思った。途中までは... これ位の絵の才能なら誰にでも書けるんじゃないか?と思わせる絵。黒人学の教授から美術学の教授までが彼の作品を絶賛する。最初は過大評価じゃないかと思った。彼の生い立ちから今までを振り返る。貧しかった生い立ちは、黒人の多くが通った道。結婚して16人の子供を授かる。さらに他の2人の女性との間に4人もの子供も居る。妻や愛人はワグナーにそれぞれ苦々しい気持ちを抱えているが、子供達は父を愛している。その辺から断然この男性と彼の作品に魅力を感じ始めてしまう。牧師でありながら、愛人を作って性に溺れた人生。自ら「私の罪だよ」と語る。何とも言えない彼の不思議な魅力がその絵にも反映されている事に気付く。そして大胆にも「ピカソも私と同じく3人の女性に溺れていたんだ。我々は似てるんだ」と言い訳する。カッコイイという意味の悪い男だ。
彼の魅力が彼の芸術となっている。白いカバンから飛び出した黒いボーリングの玉。それを彼は「白いバッグから飛び出してきた黒い猫」というタイトルをつけている。「白人の皮を被った黒人」という意味なのだそうだ。多くの人々を魅了した彼の魅力とその芸術性が見え隠れする。
(5/20/10:DVDにて鑑賞)