LAタイムスの記事に寄れば、フォックス・サーチライトが「ブラックテーマ(遠まわしに黒人が主役の映画という事)」の作品への侵略を止める事にしたとの事。その被害者はタラジ・P・ヘンソン主演で制作予定だった「Baggage Claim」。制作が中止になった。以前に制作ニュースで伝えた通り、劇作家のデビット・E・タルバートが監督のロマンチックコメディだった。最近、サーチライトが制作した「ブラックテーマ」の作品は「Just Wright / 恋のスラムダンク (2010)」と「Our Family Wedding / マイファミリー・ウェディング (2010)」の2作品。その2作品はアメリカ国内のみで20ミリオンドルの興行成績しか稼げなかったのも、今回の決断に関与していると言われている。しかし同社の「The Secret Life of Bees / リリィ、はちみつ色の秘密 (2008)」は10ミリオンの制作費で40ミリオンの興行成績で成功を収め、「Notorious / ノトーリアスB.I.G. (2009)」も約18ミリオンの制作費で36ミリオンの売り上げを見せた。サーチライトの副社長は「ブラックムービーには浮き沈みがある」とし、「しかし大きな根本的な戦略を変えた訳でもないし、ブラックムービーのジャンルから去る訳でもない」と語っている。黒人がテーマの作品は、やはり観客も黒人が大半を占める。その中で、一人は「ハリウッドは昔から伝統的にブラックムービーは中々宣伝される事もない。黒人の観客もやはり大々的に宣伝される作品に流されてしまいがちだ。」と語っている。
最近このジャンルに劇場版やDVDセールスを含めて積極的なライオンズゲート社は成功を収めている。しかしタイラー・ペリーの存在が大きいと、この記者は書いている。ちなみに今回製作が中止となったデビット・E・タルバート監督も、タイラー・ペリーと同じく地方周りの多い舞台劇で有名になった劇作家である。
Fox Searchlight tweaks its urban efforts - latimes.com
私から言わせて貰えば、フォックス・サーチライトは元々ブラックムービーに強い会社ではなかったし、元々「JUNO/ジュノ」とか「リトル・ミス・サンシャイン」みたいな作品に強い印象。でも「The Last King of Scotland / ラストキング・オブ・スコットランド (2006)」みたいな作品もあったり、「Never Die Alone / ネバー・ダイ・アローン (2004)」もサーチライトの作品だった。「ブラックテーマ」という大きな枠組みというよりも、ただ単に黒人が主役のラブコメに縁が無かっただけのような気がするが...