今となっては
アメリカを研究する学者は星の数ほど居るかもしれない。何度か書いている通り、その中でも一番尊敬しているのが
猿谷要氏だ。理由は沢山ある。でもその中でも私の中で大きく占めている部分は二つ。まずは、その優雅な文。猿谷氏の
アメリカを伝えようとするその文に壮大さを感じる。何かを書こうとする時、いつも猿谷氏のように
雄大で上品にペンを走らせてみたいと願う。そしてもう一つの理由が
アメリカの南部にも精通している所。いや、黒人問題だけでなく、
ネイティブアメリカンや
ハワイ王国にまでその知識を伸ばした点。今回の本は1979年に出版された本。その中で本人も書いている。「日本のジャーナリストはニューヨークかワシントンはほとんどワシントンとニューヨークに住んでいた。日本の教授や学生も、たいてい北東部の名門校に籍を置いていた。」と書いている。猿谷氏も北東部の名門
コロンビア大学に居た事もあるが、
アトランタのエ
モリー大学から招かれて1年籍を置いている。その後には
ハワイ大学にも在籍して、ハワイ王朝などを研究しているのは興味深い。そういう風に広い
アメリカを実体験で経験しているからこそ、猿谷氏の文からは
アメリカの広大さと奥行きを感じる。視野の広さを見習いたい。私も幸いながら
アメリカの北東部、南部、西部、ハワイと色々と住んだりしてきたが、確かにそれぞれの特徴はあるけれど、それぞれの長所は一長一短であるし、そこに住む人となるとやはりどこにも良い人も居れば悪い人だっているのである。
猿谷氏の文は、それを優雅に教えてくれます。