ウッディ・ストロード主演作品。ウッディ・ストロードは、今でこそ珍しくないけれどNFL選手から俳優へと転進した元祖。UCLAでジャッキー・ロビンソンと共にスポーツ界での人種バリアを除いた人でもある。その恵まれた体格を生かしてアクション映画で活躍した人です。著名なブラックムービー歴史家の一人ドナルド・ボーグルは、ストロードの事を「他の惑星から来たプリンスのよう」と称している。
そのストロードが、役名は変えてありますがコンゴに実在した活動家パトリス・ルムンバの最期を描いたドラマ作品です。イタリアで製作されています。イタリアらしい作品です。やっぱりイタリア映画好きですわ。とっても情熱的で感傷的で切なくなります。仲良くなるイタリア人(役は世界各地を回っているというだけでどこの国の人かは分からず)の俳優が情熱的なんですよね。単なる盗人役なんですが、物凄く情熱的。その様が、すぐにストロードのカリスマ性に惹かれたのが分かるんですよね。ストロードはとってもクールです。とっても聡明な感じで落ち着いていてカリスマ的です。タイトルは、アメリカに渡ってきてからなぜか「Super Brothers」をなりました。製作は1968年なのですが、アメリカでの公開が1971年で思いっきりブラックスプロイテーションの煽りを受けたそう。全然それぽくないです。後さすがに「Black Jesus」というのにも反発があったのかしれないですね。しかも政治的なルムンバを「黒人のジーサス」と呼んでしまうのには抵抗があったのかもしれない。
さすがにボーグルです。「他の惑星から来た...」ストロード。だからこそジーサスに近い、人を超越した存在を感じる。ストロードが捕まる前に部屋の真ん中で立っているシーンがあるのですが、それだけでそういう存在を感じてしまうのです。
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(5点満点:DVDにて鑑賞)