いやー、いい大人がそこまで泣くか?という程に泣いてしまいました。映画見た後に鏡見たら、目だけじゃなくって鼻とか頬まで赤くなってました。ちょっと出来すぎたメロドラマかな?とも思うのですが、そこまで直球ストレートで来られると、それでも余計に泣いてしまうんですよね。ま、私は昨日のような何でもないコメディ映画でも泣いてしまう涙腺弱子さんなので、おすぎのCM「絶対泣きます!」と同じ位にあんまり参考にならないかもしれませんが...
今まで障害者の人が主人公となったブラックムービーはあまり無かったように思う(キューバ・グッティング・ジュニアの「僕はラジオ」くらいかな??後同じキューバが出ていたLightning Jackもあるわ)。でもレオナルド・ディカプリオが知的障害者を演じた「ギルバート・グレイプ」とか、ちょっと趣は違うけれど「カッコーの巣の上で」とかありましたよね。いずれも名作であり「カッコーの巣の上で」はその年を代表するような作品となり、反体制的なメッセージで鋭く挑んだこの映画はアメリカ・ニューシネマの代表作ともなりました。ところが、黒人にも障害者は存在するのに、そういう人たちが主人公となるような映画は今まで見られなかった。そこに果敢にチャレンジした作品。さらには実際に障害を持った人が演じている。そういう部分に彼等の主張を感じます。今まで「見えない人間」だった障害を持つ黒人の姿と、その姿を取り巻く人たちの姿。「ギルバート・グレイプ」は過疎な田舎町が舞台ですが、こちらは逆で大都会のニューヨークが舞台。よって、都会的なドラマを交えつつ話は進む。でもテイタム・オニールが出てくる部分は未完成で終わっているので、何が伝えたかったのかイマイチ不明なので無くても良かったかも?とも思う。主人公が黒人で、黒人としての環境を描きたかったとすれば、オニールと主人公の絡みは短絡的である。
確かに終始メロドラマ的であり、もっと果敢に難しいメッセージにチャレンジしても良かったのかも?とも思うのですが、中々どうして...そのメロドラマ的な話に完全にノックアウトされてしまい、終始泣く事となるでしょう... スタート30分からあんなに泣いたのは「ロングウェイホーム」以来。まあ、こんだけ泣くとそれなりに映画のインパクト数も上がり、やっぱり忘れられない映画の1つとなってしまいそうです。
ヴァネッサ・ウィリアムスはいつも綺麗で羨ましいのですが、今回は結核を患った母を演じています。これが今までの彼女からは信じられない位に皺くちゃな顔で演じているのですが、どことなく理想的な母の優しさと美しさを失わず... 皺があって髪が乱れていたって女性は綺麗なんだ...と思わせてくれます。主役の2人もまだ無名ですが、中々良かったです。その主役の少年時代を演じた2人の男の子もいい。
これね「ギルバート・グレイプ」とは設定も終わりも丁度逆なんですが、両方共にそれぞれいい感じなんですよね...
あ、そういえばロブ・ロウの「スクエアダンス」という映画もありましたね。「二十日鼠と人間」とかもあって、これはさすが名作ですよね。
点数は甘いかな?とも思ったのだけど、まあ散々泣いた分です。
感想はこちら。
(5点満点:DVDにて鑑賞)