Akeelah and the Bee / 日本未公開 (2006)
Cast >> Angela Bassett (Tanya Anderson), Keke Palmer (Akeelah Anderson), Laurence Fishburne (Dr. Joshua Larabee), Julito McCullum (Terrence) ....
Director >> Doug Atchison
Writer >> Doug Atchison
Producer >> Jaki Brown, Laurence Fishburne ....
総合ポイント >> 4.25/5点満点
Contents >> 4 Performance >> 5 Direct >> 4 Music >> 4
おとぎ話と作り話
アキーラ(キキ・パーマー)は、ロサンジェルスのサウスセントラル地区に住む11歳。亡き父と遊んでいた英語のスペルを競う「スクラブ」というボードゲームのお陰で、学校のスペルテストは毎回100点だった。英語の先生は「スペリング・ビー」の大会に出場することを勧めたが、アキーラは嫌だった。他の教科をさぼっていた事で、無理矢理出場する羽目になった。学校側もサポートし、近所に住むUCLAのララビー教授(ローレンス・フィッシュバーン)をアキーラのコーチにつけるが...
作り話というと、何か嘘で固められた話という雰囲気がある。おとぎ話となると、嘘でも信じたい夢のある話のように思える。この映画が、事実に基づいて作られた映画じゃないと知った時は、ちょっとショックだった。これが事実なら、主人公のアキーラが住んでいるとされているサウスセントラルの子供達や、彼等と同じような境遇の子供達は随分と勇気付けられただろう。なぜならアキーラが頑張って、自分で成功を掴んだという事実があるからだ。作り話になりそうなこの映画をおとぎ話に変えたのは、主人公を演じたキキ・パーマーの表現力にあると思う。町の悪が、アキーラを応援し「俺も詩で賞を貰った」なんて話すのは、さすがに非アフリカ系アメリカ人の監督が作ったようなかなり現実離れしているが、アキーラの天真爛漫な姿を見ると、「アリかもしれない」と思わせる。逆に言えば、リアリズムを求めるアフリカ系アメリカ人の監督では出来なかったシーンだ。ただ、アキーラとララビーの関係は、人種・国問わず、色々な場面で遭遇しえる。2人の関係は、プラトニックな恋愛にも似ている。2人は、お互いに不足しているものを、共有している。
キキ・パーマーとローレンス・フィッシュバーンの表現力は、おとぎ話を作り上げた。
(9/8/06:DVDにて観賞)