Coach Carter/日本未公開 (2004)
Cast >> Samuel L Jackson (Coach Ken Carter), Ashanti (Kyra), Rob Brown (Kenyon Stone), Robert Ri'chard (Marcus Carter), Rick Gonzales (Timo Cruz), Channing Tatum (Jason Lyle), Antwon Tanner (Worm), Sidney Faison (Tyrone Crane), Debbi Morgan (Tonya), Denise Dowse (Principal Garrison), Adrienne Bailon (Dominique) ....
Director >> Thomas Carter
Writer >> Mark Schwahn, John Gatins
Producer >> David Gale, Brian Robbins, Michael Tollin
Point >> 3.25/5点満点
Contents >>4 Performance >>3 Direct >>3 Music >>3
意外にも純情なアメリカの高校生達。
自分が年を取ったせいか、近頃の高校生(日本もアメリカも)の言動が目に余る事が多くなった。私の時代とは違うってだけで、勝手に彼等の純情さが失われたものだと勝手に憶測していた自分が居た。この映画を見るまでは。
日曜の教会じゃあるまいし、サミュエル・L・ジャクソンの金八をも超える熱い説教は、アメリカの高校生にとってはウザイものだと思っていた。が、劇場の高校生(特に女子)は、夢中になっていた。いつもは劇場でうるさく、ウザイ存在の女子高校生が、サミュエル・L・ジャクソンの説教に釘付けになって静かに聞いていた。
この作品のトーマス・カーター(Save the Last Dance/セイブ・ザ・ラストダンス)って人は、日本の大映テレビの如く、若者の主人公の悩みをこれでもかって位に見せて、若者の心にストレートに投げかける作品を作る。「みんな同じ悩みさ!」で、若者に安心感を与えるハッピーエンドを送りこんでくる。そのせいか、若者は劇場ですぐに感情移入したようだ。若者向けの音楽も手伝ったのかもしれない。バスケットのシーンは、手を上げて大声で喜んでいる女の子まで居た。
ただ、30過ぎた大人には、劇場で一緒に喜ぶのも恥ずかしいし、音楽も少し幼稚に聞こえる。ましてや、演技初体験のアシャンティの演技等、見ていられない。サミュエル・L・ジャクソンの説教も、取り合えず高校生よりは15年以上の人生経験があると、退屈に聞こえる。
しかし、アシャンティの役柄は、今のブッシュ政策に訴えかける何かがあったし、そのアシャンティが抱えた問題こそ、今の若者の問題を反映しているように思えたし、リッチモンドという、日本人が知らない町でも多くの若者が問題を抱えている事を見せてくれたのは、大変興味深いと思った。
何よりも、普段はトゲトゲしている高校生達が、純情で可愛い事を劇場で見せてくれたのが一番面白かった。アメリカの放任主義じゃなくって、日本の金八みたいな親代わりの大人を期待しているんだろうか?とも思えた。
(3/12/05)