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カンヌ映画祭

我らの北野武監督も参加していて注目を集めているカンヌ映画祭。私の大好きなチャド出身の監督マハマット=サレー・ハルーンも北野武監督と同じ部門で争っており、どちらを応援したらいいのか...心が引き裂かれる思いです。私としては同時大賞だと本当に嬉しい。という訳で、昨日からカンヌ映画祭のオフィシャルサイトを観っ放しの私が書きたいと思います。

まずはマハマット=サレー・ハルーン監督が5日目に登場。主演のユースフ・ジャオロ等大勢でカンヌ入り。

Festival de Cannes - Site Officiel
上のリンクで記者会見の模様(30分近く全てを収録)や、レッドカーペット、フォトセッションの様子が映像で見られます。すごい太っ腹。


上の画像はレッドカーペットの様子。もしブロックされていたら、直接Youtubeサイトへ

Cannes 2010. Mahamat-Saleh Haroun's "A Screaming Man" on Notebook | MUBI
こちらはカンヌ映画祭で見た批評家達の映画についての感想がまとめてある。ただしボストン・グローブ誌のウィリアム・モリスが指摘した主演のユースフ・ジャオロがハルーン監督の「Abouna / 僕らの父さん (2002)」でも役についていたと書いてあるが、出てない筈。ジャオロが出ていたのは「Daratt / 日本未公開 (2006)」。

そして次の日の6日目に北野武監督が登場。北野監督の事務所の社長で映画プロデューサーの森さんと登場。

http://www.festival-cannes.com/jp/festival/2010-05-17/theDailyVideos.html
カンヌ映画祭のオフィシャルサイトではインタビューやレッドカーペットなどの様子が全て見られます。インタビュアーも大受け。

Cannes 2010. Takeshi Kitano's "Outrage" on Notebook | MUBI
こちらもカンヌ映画祭で見た批評家達の映画についての感想のまとめ。ロジャー・エバートは「北野監督は恵まれた才能を持った日本人監督で私も彼の映画の多くは大好きだ。しかしこの映画は彼にとって最悪な映画だ」と述べている。またハリウッド・リポーター誌のマギー・リーは「なぜこの映画がカンヌ映画祭のオフィシャルセレクションに選ばれたのか分からない」とまで書いている。

しかし下のリンクに寄れば、ハルーン監督の「A Screaming Man / 終わりなき叫び (2010)」よりも北野監督の「アウトレイジ」の方が平均評価は上なのが分かる。
Cannes 2010 | The Guide | IndieWire

またハリ・ベリーが主演で、ずっと公開が待たれていた「Frankie & Alice」がカンヌ映画祭のマーケットで初めて公開された。ハリ・ベリーが多重人格者を演じた作品で、こちらでその写真が公開されている。体当たりでストリッパーを演じている。こちらはコンペティションでなく、あくまでもセールス用の上映のみ。
Hollywood Reporter | Entertainment News

マハマット=サレー・ハルーン監督の作品が評判悪いのは意外。なにせ私が観た短編も含む彼の4作品にハズレはなかったから。記者会見で長く質問する女性記者に向かって「私もジャーナリストだったけれど、その頃に質問は短くするように言われたよ。でも出来るだけ君の質問に答えるね」と語っていたのが印象的。記者会見の中でも何度か「前はジャーナリストだった」という発言をしていて、それが映画にも影響していると答えていた。彼の受け答えを聞いていると、アフリカ版のスパイク・リーというよりも、やはり私が好きなチャールズ・バーネットに近い気がしました。映画でも自分の国の問題点を普通の人の暮らしから描き出そうとしている点も似てる。この映画も「(タイトルの)叫びは、主人公が置かれた苦境に対してじゃないんだ。神の沈黙に叫んでいるんだ」と語っていた。その神の沈黙とは、チャドや周りのアフリカ諸国が内戦等で大変な状況なのに、神はなぜ我々に何もしてくれないのだ...という意味だそうだ。

北野武監督はインタビュー等でフランス人が独特のフランス訛りで「タケシ・キタノ」と言ったり、たまに「ビートタケシ」と言ったり... でもやっぱり外国人が「ヤクザ」を連呼すると何か面白いです。暴力についての質問が集中してますね。時々、たけしらしいジョークを交えた明るいインタビュー。インタビュアーの詳しい質問などは、彼の映画が世界で愛されているんだなーと感じます。

カンヌ映画祭の大賞であるパルムドールは23日(日本時間24日)に発表される。