Sidewalk Stories / サイドウォーク・ストーリー (1989)
Cast >> Charles Lane (The Artist), Nicole Alysia (Child), Trula Hoosier (Mother), Sandye Wilson (Young Woman), Darnell Williams (Father), Tom Hoover (Painter), Ellia English (Bagwoman) ...
Director >> Charles Lane
Writer >> Charles Lane
Producer >> Charles Lane, Howard M. Brickner ...
総合ポイント >> 5/5点満点
Contents >> 5 Performance >> 5 Direct >> 5 Music >> 5
Universal Voices
NYの町でホームレスとして生活しながら路上で似顔絵描きをしていた絵描き(チャールズ・レイン)。昼間に似顔絵を描いた小さな女の子(二コール・アリシア)とその母と父。母と父はその後に喧嘩になって、父が娘を連れて行ってしまった。所が父がトラブルに巻き込まれて刺されてしまう。絵描きがたまたまたそこに通りかかり、女の子を引き取るが...
映画ファンなら、上の解説でピンとくる作品がある筈。チャールズ・チャップリンの「キッド」である。この映画もサイレントとモノクロという「キッド」と同じ手法で作られている。元々チャールズ・チャップリンの映画が好きだったチャールズ・レインが「NYの極寒の中で過ごすホームレス達はどうなんだろう...」という事で作られた作品。
私たちのような外国人は外国映画を見る時には、時に「Lost in Translation」に陥る。台詞の言葉足りなさによる字幕翻訳ミス、難しい表現により起こる事。しかし、台詞に頼らないサイレント。主人公の表情等の視覚に頼り理解していくというのは、我々外国人でも多いに分かり易い。だからと言って、すべてがサイレントでも良いとは思わない。ここにはチャールズ・レインのサイレントにした意図が見えるからだ。路上で無視され続けてきた存在がホームレス。彼らの言葉が我々に届かなかった人々だったからこそ、チャールズ・レインが故意にサイレントにした意味があると感じる。そして迎えるラスト。最初と最後が対極的であるから、インパクトがあるのだ。レインは物語も対極でインパクトのある物にしている。劇中ずっとコミカルで面白かったからこそ、ラストでは切なさが宿る。
この映画の面白い所は、画で伝えようとする映画でもあるが、台詞でも伝えようとする映画なのである。その両方が観客の心に訴えかけてくる事になるのだ。
(5/27/08:DVDにて鑑賞)