Cast >> DMX, David Arquette, Michael Ealy, Reagan Gomez-Preston, Clifton Powell ...
Dir >> Ernest R. Dickerson
Write >> Donald Goines (novel) ....
Point >> 4.5
Contents >> 5 Performance >> 4 Direct >> 5 Music >> 4
中毒性。
アーネスト・デッカーソンの映画は、中毒になりやすい。監督が「Juice/ジュース」で監督デビューしてからというもの、私は彼の映画の中毒だ。彼が作る映像には何か中毒性を帯びた、脳裏に焼きつく斬新な演出がある。ちょっと前の監督作品「Our America/トゥルー・オブ・アメリカ」での、飛び降りシーンが目の前にいつもちらつくし、「Bones/ボーンズ」での、シュールな映像が脳裏を過ぎる。今回も、監督らしい中毒性を帯びた映像と、監督がいつものように「青年の繊細な心」を捉え、それらでスクリーンが一杯になる。そんな「青年の繊細な心」を完璧に演じたマイケル・イーリーの演技と姿にも中毒性があって釘付けになる。DMX演じたキングの冷酷さは、劇中デビット・アークエットが演じたポールのように、早くカセットが聞きたいと思わせる中毒性がある。
また、ドナルド・ゴーインズの原作そのものと、ゴーインズ自身のキャラクターの雰囲気も映画に生かされていて、ハードボイルドな世界が垣間見られる。
「ヘロインとコカインの中毒の差も分からないのか」と、主人公のキングは言う。スクリーンに釘付けになっていた私は、急にドキドキした。
きっとそれは私がこの映画の「中毒」になっていると気が付いたから。
(6/7/04)