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Night Comes On / 日本未公開 (2018) 1663本目

きれいなだけじゃない、頑張るお姉さんは好きです『Night Comes On』

この前の『Pimp / 日本未公開 (2018)』の時にも書きましたが、最近本当ーーーーーに多いのです。インディペンデント系の白人女性監督の作品が、ニューヨークを舞台にした黒人女性物語。ここ2-3年でグッと増えている。私が気になりだしたのが『The Fits / 日本未公開 (2016)』辺りかな。その前にもあったかもだけど。『First Match / ファースト・マッチ (2018)』とか、この前見た『Skate Kitchen (2018) - IMDb』という映画もそうですね。で、黒人男性監督のトレンドはオークランド舞台ですね。という訳で、ニューヨークが舞台の強いお姉ちゃんが主役のドラマ。今年初めの2018年サンダンス映画祭にてNEXT!部門のイノベーター賞を受賞。

エンジェル(ドミニーク・フィッシュバック)は、18歳の誕生日を目前に刑務所から出所した。しかし、母は死亡しており、父も刑務所にいるらしく、妹はまだ小さくてフォスター(里親)に世話になっている為、誰もエンジェルの出所で迎えに来る人はいなかった。出所後は付き合っている彼女の家に世話になるつもりだった。その前にマーカスという男から銃を手に入れた。しかも、その銃の抵当に嫌がらせも受けた。出所後の諸々の手続きなどで事務所に向かう途中、バスで同じ年頃の女子高生たちが屈託なく騒いでいた。エンジェルは執拗に父の住所を見つけ出そうとしていた。しかし誰も「知らない」と嘘をつく。どうやら妹ならば知っているかもしれないと聞いて、エンジェルは妹アビゲイル(テイタム・マリリン・ホール)に会いに行く...

段々と真相が分かるタイプの映画。主役のお姉ちゃんが本当に強い。何か腕っぷしも強そうではあるけれど、彼女の場合内面的に強いタイプ。もうね、可哀想な位に色んな事が起きる。そしてこの監督の上手い所は、穢れの知らないというか、一般の女子高生を上手く使って対比しているところ。本当だったら、エンジェルはこういう学生生活を送っていたかもしれないんだよねーと、随所で思わせてしまう。また、妹が本当に妹みたいで辛かった。ちょっとお姉ちゃん譲りな強くて賢い所もあるんだけど、まだまだ子供で...みたいな。でも最後らへんで泣かせてくれる!妹も感情を抑えていたタイプで、その妹が抑えていたものを爆発させた時、泣いた。そして最後の最後... 泣くよ。

と、彼女たちが作る映画は上手くて面白い。でも、唯一共通しているちょっと違うかな?と思う所は、音楽かな。音楽の使い方が上手くない。何か違うよねーと。でも『Pimp』のラストのDMXの曲だけは良かった。ラップやR&Bを使えとは全然思っていないけど、それにしても何か違う感がある。それは共通している。

Night Comes On / 日本未公開 (2018)(4.75点:1663本目)