NBA選手になれるのは10億分の1。インド人で初の挑戦をしたのが、サットナム・シン。その彼がNBAドラフトにエントリーするまでを追うドキュメンタリー映画。
中国人ヤオ・ミンの人気により、物凄い規模の人口数を誇る中国というマーケットを手にしたNBA。そこで学んだ訳ですね。マーケットが大きい国のスター選手を生み出せば、もっと儲かるぅうううう!と。さすがデビット・スターン(NBAのラスボス。2014年に引退しているが、インドに広げた頃はまだ一番偉い)。お金にはめざとい。って事をこのドキュメンタリーではやんわりとふんわりと描いているが、そういう事だ!インドなら人口多いし、最近はコンピューター事業とかで勢いあるしーと、デビット・スターンに目を付けられたインド。しかもNBA側は、インドは元々映画や音楽など非常にエンターテイメント性に優れているので、NBAみたいなエンターテイメントはすぐに受け入れてくれる筈!と、非常になぜか前向きで前のめりなNBA陣営。バスケットボールの下地はそんなになく、スポーツならばクリケットが盛ん!何とかなるっしょ。という事で、NBAがインドに進出した頃、まだ14歳だったのがサットナム・シン。14歳だけど6フィート6っていうから、198cmもあった。靴のサイズも18インチとおよそ48cm!これは、まだまだ伸びる可能性があると、速攻で目を付けられる。しかし、サットナム君、実家はど田舎でずっと農業をやっている家庭の子。バスケットは目立つ身長なので10歳からやっていたけれど、アメリカで10歳で始めたレベルとは雲泥の差。そこで、NBA側は男女4名ずつ、フロリダにあるスポーツ専門の学校IMGアカデミーに留学させる事にした。このIMGアカデミーは、NBA選手だけでなくテニスなどでも有名で、有名選手を生み出す最強マシーンのような学校。テニスならセレーナ・ウィリアムスや姉のヴィーナス・ウィリアムス、錦織圭、バスケットならマイケル・ビーズリーにエルトン・ブランドなどなど。このドキュメンタリーでも学校内が明らかになっているけれど、トレーニングジムは恐らくゴールド・ジム以上の施設。プロになる前からそういう所で鍛えるって、やっぱりアメリカって本気度が違う。そんな中で、サットナム・シンは着々と能力を付けていく。
しかし、NBA側も予測していなかった事が起きる。サットナムの英語力がイマイチ伸びなかった。NBA側としては、その一流学校で能力と学力をつけ、1年位大学に行って、NBAドラフトで華々しくデビュー!と思っていたのだろう。サットナムの英語力では、大学に入るまでの成績が得られる事が出来なかった。現在のNBAでは、高校のみでもドラフト入り出来るので、2015年のドラフト宣言。2巡目で何とか指名を貰えて、インド初のNBA選手となった!が、未だNBAでの出場はなく、その下のDリーグに所属。しかもスターター出場はなく、最高得点未だ5点と勿体ない事になっている。
バスケットボールのドキュメンタリー映画の名作『Hoop Dreams / フープ・ドリームス (1994)』でも同様に思ったように、未だにNBAは人の人生を弄ぶなーと思ってしまった。Dリーグでもバスケで生活出来ているから良いという人もいるかもしれない。まあ、私は元々デビット・スターン&NBAの拝金主義が大嫌いなので、インドでの市場開拓が中途半端なのが許せない。まあ、NBAも少し頭悪いよね。インドって人口は多いけれど、なぜかオリンピックとか興味ないのか、成績毎回そんなに良くないもん。こうなるのは分かっていた気がするんだよねー。NBAってばかよねーとはだいぶ思いました。好きだからこそ、憎い部分もある。愛情ゆえ。
どうでもいい事なんですが、キャメロン・ペインがこのサットナムと同じエージェント。キャメロンを見にIMGに来たエージェントがサットナムを見つけて契約。という事で、途中からキャメロンが結構出てくる。キャメロンはこれ観た直前に我がOKCサンダーからトレードされてしまったので、私の気持ちは複雑でしたよ(´・ω・`)。
ちなみにこれ、アメリカではNetflixで観れるのですが、調べたんだけど日本のネトフリにはないぽい。なんで?あるの?
One in a Billion (2016) - IMDb(3.25点:おまけ)