人をただただ威圧する10時10分眉で中肉中背アイス・キューブ。学生時代は確実にイジメっ子だった男だ。でも意味もなく己のストレス発散の為のイジメとか、そんなちゃっちい事はしないタイプで、自分よりも強そうな相手に勝つ事を楽しむ昔ながらの番長タイプ。オラオラ人生。と勝手に我々は見た目だけで推測してしまうが、本人は『Straight Outta Compton / ストレイト・アウタ・コンプトン (2015)』でも描かれていたように、ラップのリリックを一生懸命ノートに認めていたタイプ。大学まで入学しているので、結構出来る男。そんなアイス・キューブのイメージと現実をごっちゃにしたようなコメディで、夏休みに入る終業式の日に気の弱い国語教師キャンベル(チャーリー・デイ)のせいで、生徒からも先生からも恐れられている歴史教師ストリックランド(アイス・キューブ)がクビになってしまい、放課後に決闘(Fist Fight)を申し込み、学校中で「キャンベル完全にオワッタ」となってしまうコメディが『Fist Fight / フィストファイト (2017)』。
この高校の生徒たちが、まああーーーーあああーーー悪い。アメリカのこの手の学校コメディにはありがちなんですが、実際には見た事ないわー。生徒たちのイタズラが結構面白い。凝っている。そこに頭使えるなら...って思ってしまう。アメリカのバカ学園コメディのイタズラが好きな人系には、たまらない映画。あと小ネタがたまらない。国連になっている教室でのイランvsイスラエルとか、歴史教師(キューブ)のケン・バーンズネタとか。そしてアイス・キューブネタも多い!この映画が中々面白いのは、やっぱりアイス・キューブのいじめっ子キャラとチャーリー・デイのいじめられっ子キャラが際立っているから。ポスターだけでキャラがすぐに分かるもん。アイス・キューブが斧とかバット持っているだけでゾクゾクして面白いもん。You better check yo self before you wreck yo self...
それにしても、アイス・キューブが歴史教師だったのが最高だった。思えば、アイス・キューブやパブリック・エナミーのラップは私にとっての教科書代わりで、教科書とにらめっこして暗記するのは超苦手だったけれど、アイス・キューブやチャックDの言う事はすぐに頭に入ったもんです。辞書で英単語を調べ、そして彼らが言っている事の内容を勉強する。楽しい高校生時代でしたよ。こんな大人になりましたけど。今でもアイス・キューブとチャックDは私の先生。社会勉強。キューブは裏社会の勉強も出来る。ここでも書いたけど。
アイス・キューブが居る教室、それは確実に楽しくて思い出になる授業。
Fist Fight / フィストファイト (2017)(3.75点:1531本目)