SOUL * BLACK MOVIE * ブラックムービー

ブラックムービー、ブラックスプロイテーションなどについて

Iverson / 日本未公開 (2014) 1504本目

NBAの異端児アレン・アイバーソンドキュメンタリー映画。前にも書きましたが、私はアンファニー・”ペニー”・ハーダウェイ世代なので、この映画のアレン・アイバーソンはルーキーの頃からガッツリですよ。でも逆に、アイバーソンコービー・ブライアントの時代になって、少しNBAを離れた感じかな?しかし、アレン・アイバーソンがドラフト1位となった1996年ドラフトはマイケル・ジョーダン1884年に次ぐ伝説のドラフトだろうね。凄い才能ばかり。

NetflixでDVD入れる感じだったので、じゃあ待とうかなーと、待っていたんですよ。で、日にちも具体的になったので、これは完全に待とうと思ったら、なぜかその日になってもこない。人気なのかーと思っていたら、結局また下のセーブに落ちちゃった。結局入らなかったのか!と、1年以上も待ちぼうけを食らった映画です。ムッカー!Netflixめ!

アレン・アイバーソンと言えばラップ。特にビギー辺りがアイバーソンにはピッタリ。アイバーソンの事を言っているラップも非常に多い。多分、マイケル・ジョーダンに続いて多いんじゃないかな?コービーも同じ年に入団したけれど、コービーは逆にラップにし難い気がする。出自がそうさせている気がする。コービーのお父さんがプロでお金持っていたし、何しろヨーロッパで育ったからイタリア語だっけ?を喋れたりするんでしょ?普通の黒人はそんなコービーに自分を重ねる事は出来ないもんね。でもアイバーソンなら出来る。服装も話す言葉も自分たちと一緒。彼もシングルマザーからの出。髪型だってコーンロウ。今はそうでもないけど、コーンロウは元々は貧乏故の髪型だった。しかも6フィート(183㎝)と、アメリカ人の平均が5フィート11インチ(180㎝)らしいので、平均よりちょっと1インチだけ大きいだけ。しかも高校でやらかしちゃって刑務所生活まで経験していて、セカンドチャンスでNBAまで上り詰めた。もうこれは、自分たちそのもの。等身大。憧れて当然である。

しかもアイバーソンアメリカで一番「Keep it Real」な人である。「Keep it Real」を日本語にするのが難しいけれど...変わらない自分、ありのままの自分、嘘つかない自分、フェイクじゃない自分、無理しない自分... そんな所かな?率直で素直。だからこそ勘違いされる事もしばしば。そういえば、コメディアンのデイブ・シャペルの番組で「Keep it Real goes wrong(率直さが間違った方向へ)」みたいなコントがあったのを思い出した。アイバーソンは、Keep it Real故に間違った方向にいってしまった事が多々ある。まず最初が、例の高校での事件だ。ボーリング場で起きた喧嘩で、アイバーソンはそこには居たが一番最初に逃げた(これはテープにも残っている)のに、ありのままで居たアイバーソンは「Mob(暴徒・ギャング)」呼ばわりされた。白人の軍団が仕掛けたのに、罪に問われたのはアイバーソンと仲間だけ。アイバーソンは高校時代からスポーツで目立ち過ぎていた為に、大きなニュースとなった。17歳だったアイバーソンはなぜか大人として裁かれたのだ。それによって名門大学のすべての奨学金を失ってしまう。名黒人コーチのジョン・トンプソンが居るジョージタウン大に母親が頼み込み、何とか大学へ。トンプソンの理解と手助けもあって、アイバーソンNBAまで行く事が出来た。

そしてNBAで起きた「Keep it Real goes wrong」は、なんといってもあの「練習」事件だろう。練習をしないとインタビューでしつこく聞かれたアイバーソンは「練習だって?」と返した事件である。あの時、アイバーソンの友人が亡くなったばかりで、記者は試合の事を聞かずに練習の事ばかり質問してアイバーソンをイラつかせたのだ。しかしメディアでは、アイバーソンの発言の一部だけを取り上げで、報道が過熱していった。

このドキュメンタリーは割りとオーソドックスにアイバーソンを追っている。初心者向け。なんていうか、アイバーソンしくじり先生「正直過ぎで失敗しちゃった先生」という感じだ。ただし、誰よりも愛らしい。この前の殿堂入りのスピーチでもそうだったけど、結構泣く。それでいて圧倒的なカリスマを感じる。魅力だらけのNBAが生んだスーパースター。
(4点)
Iverson / 日本未公開 (2014)