Rome & Jewel / 日本未公開 (2006) 1497本目
タイトルからも分かるようにシェークスピアの「ロミオとジュリエット」が元。ロサンジェルスに舞台を移して、レッツ、ロミオとジュリエット!!ロミオをコンプトンの黒人にして、ジュリエットをビバリーヒルズの白人にすれば面白いじゃん、絶対に!!という単純な思考で生まれた気がしてならない。しかも、ミュージカル仕立てにしてラップにして毒も麻薬にすれば、絶対に若い子食いつくでしょ?みたいなノリ。物語の説明はしない。「ロミオとジュリエット」なんて、ほぼ全員が知っている話でしょ?ほぼあの話通りに進む。ただ、この映画ではモンタギュー家とキャピュレット家みたいな確執はない。ロミオとなるロームの家はコンプトンにある教会の牧師で、ジュリエットとなるジュエルの家は...これは言わないけど、良い所の子。両者は割りと協力していたりする。まあそこの部分が無いからこそ、黒人vs白人(人種)、貧しい者vs豊かな者(階級)になってしまい、面白くなかったなーと。あ、ハッキリ書いちゃったよ。
ロミオことロームを演じたのが、まだ若きネイト・パーカー!『Beyond the Lights / 日本未公開 (2014)』の時にも書いたけれど、こういう王子様的な役はピッタリ。超える壁が高い程、役を王子様にするのが上手い役者だ。この映画でもキュンキュンした。やっぱり王子様だなーと。けど、今、彼の周りは不穏な空気が漂っている。パーカーが大学時代に起こした事件が問題になっているのだ。大学でレスリング選手として活躍していたが、友人と2人でパーカーの交際相手の女性をレイプしたと起訴されたが、パーカーは無罪、もう1人の友人は有罪になったが、友人も後に無罪となった。それを経て、大学卒業したパーカーはモデルとなり俳優への道に進み、今や『The Birth of a Nation / バース・オブ・ネイション (2016)』でオスカーの監督候補か?と言われるまでになったが、これが発覚してからはオスカーも難しいような雰囲気が漂っている。で、パーカーは、ロマン・ポランスキーやウディ・アレン(アレンは起訴された訳ではないが)等の過去に事件を起こしながらも、数々の賞に輝いている監督たちがいるのもあって、そういった事件と作品を切り離して考えるべきなのか?否か?が、討論されている。でもネイト・パーカーのが他とは違うのは、彼の事件は俳優になる前の事だし、無罪にはなっている点。でも女性の家族がネイト・パーカーの映画や顔を2度見たくないというのは分かる。裁判の記録を元に書かれた長ーーーーーーい記事を読んだけれど、正直、あれがレイプだったかどうかは分からない。第3者には決して裁く事が出来ないと思った。けれど、その後にネイト・パーカーや友人ではない全く関係ない人達が、彼女を追いこみ、所謂セカンド・レイプ...みたいな事はあったとは思った。
って関係ない事で長くなった。映画はあんまりなんでね。なんていうか、粗筋が陳腐。ロミオって、惚れやすくて情熱的ではあるけれど、人思いというか情には厚い男だったじゃないですか!この映画でのロームは何かお父さんに怒られてばかりで、のらりくらりで、将来が全く見えなかったし、友達にも恨まれるわで...設定がミスだらけなんだよね。っていうか、現代なら絶対に君らロミオとジュリエットの話知っているのに、そうなるかーーーーー!!!!!と思った。やっぱりバズ・ラーマン監督もレオナルド・ディカプリオも凄いと思ったよ。
ネイト・パーカーが意外とラップ出来るのが新鮮だった。どうせ口パクで別の人が...と思ったけれど、口パクではあるが本人がちゃんとラップしているらしい。けど、色々ともうこういう王子様的な役は難しくなるのかな...残念(´・ω・`)。
(3点/5点満点中)
Rome & Jewel / 日本未公開 (2006)