The Lost Wave: An African Surf Story / 日本未公開 (2007) 1488本目
夏だし、熱いし、映画位涼しくなりたい!と、手に取りました。観る前は「今、アフリカのサーフィン事情が熱い!」のでそれを追ったドキュメンタリー映画と勝手に想像して観た訳ですが、全然違った。別にアフリカのサーフィン事情が知れる訳じゃなかった。
このドキュメンタリー映画を撮ったのが、サーファーで映画制作にも携わり、つい最近まで歌手・女優のニア・ピープルズと結婚していたサム・ジョージが出演・監督の作品。サーフィン雑誌のライターだった事もあるらしい。そのジョージが以前にアフリカに訪れた時に一緒にサーフィンしたシュン君(アメリカ英語だとションになるだろうけど、みんな彼の事をシュンと呼んでました)という少年に再び会いに行くドキュメンタリーなのだけど、その時にサーフィンの由来はアフリカにあるのかも?という事を検証もしていく旅。女性サーファーのホリー・ベックとサーファーでカメラマンのジョー・カレンも一緒の旅。西アフリカの海岸の沖に浮かぶサントメ島(サオトメ島かと思った。ポルトガル語の日本語化は難しいなー)を目指す。シュン君は今はもう立派な青年の年ごろだなー、まだサーフィンやっているかなーと、最初はドキドキワクワクだったジョージだが、サントメ島の観光化が進んで、シュン君が住んでいた村も壊され観光地となっていた。若干残っていた村人たちに話を聞くと、シュン君はちょうど2日前に別の村に移動したという。急いで追うジョージ。
新しい村ポルトアレグレに到着。他の村では見当たらなかったが、ポルトアレグレではサーフボードを発見。シュン君がいる事を確信する。騒ぎで出てきたシュン君。熱い再会!となる筈が、シュン君どことなく表情が暗い&固い。ならば一緒にサーフィンやろうぜ!と2人で海へ。そこからは打ち解ける。多分、ジョージがシュン君を捜す時に持っていた写真が、チンチ○丸出しのだったから、思春期のシュン君は恥ずかしくて暗い表情だったんでしょうね。察しろ、ジョージ!!ジョージはシュン君とボードを交換してみる。シュン君のボロボロの整備されていないボードでサーフィンをするのは、プロのジョージでも難しかった。如何にシュン君が優れているかを改めて感じる。ジョージは帰りに、じゃあボードをこのまま交換しよう、俺のいいボードを置いていくよと言うと、シュン君のまだ小さい弟が号泣。それは家のボードだ!とボロいボードをキープする事を懇願する。ジョージは、別の比較的に新しいシュン君のボードを貰い、自分のをシュン君に挙げた。弟は誰にもあげないよ!とばかり、小さな体でボロいボードを家に運んでいくのが可愛かった。シュン君のお父さんによれば、彼も物心ついた頃から海でボードを使って遊んでいたという。
サーフィンのプロたちが関わっただけあって、サーフィンの映像を撮るのはやっぱり上手いなと。その角度から来ますか。みたいな。
まあ、サーフィンの発祥はどこかは分かりませんが、海が目の前にある限り、漁師たちはそうやって海と戯れていたのだろう...とは思いました。黒人は泳げないとか言うけど、沿岸沿いの人々は猟師が多いから、黒人だから泳げないって事は無い!と改めて思いました。そしてサム・ジョージが、LAのギャングを追った名作ドキュメンタリー『Made in America / 日本未公開 (2008)』の脚本家の1人と聞いて猛烈に驚いている。私、メモに「デビッド・ハッセルホフに似た老けた男」と書いたんだけど、ジョージ、やるな!(3.5点)
The Lost Wave: An African Surf Story / 日本未公開 (2007)