Toni Braxton: Unbreak My Heart / 日本未公開 (2016) (TV) 1440本目
良いかどうかは置いておいて、TV映画を量産しているライフタイム・チャンネル制作のトニ・ブラクストン自伝映画。トニですよ!トニは独特な声といい素晴らしい歌手だけど、正直映画が出来る程の物語はあるのか?とちょっと不安には思った。しかもライフタイムだし。あの物語がありあまるアリーヤの自伝映画『Aaliyah: The Princess of R&B / 日本未公開 (2014)』ですら、あんな風に滅茶苦茶にされたし... 正直不安しかなかった!けれど...
1992年、トニ・ブラクストン(レックス・スコット・デイビス)とトレイシー、トワンダ、トリーナ、テイマーの4人の妹たちは、LAリード(グレッグ・デイビス・ジュニア)とベイビーフェイス(ギャヴィン・ヒューストン)の前で歌っていた。彼女たちの才能に満足したLAリードとベイビーフェイスだったが、女性グループはもう居るので、トニをソロとしてデビューさせようという意見で落ち着いた。それを聞いたトニはショックを受ける。妹たちと歌えると思ったのに... もちろん妹たちも反発。そして母(デビー・モーガン)も激しく反発した。母もその昔に歌手としてデビューするチャンスがあったが、やはり一人のソロという事で断りダメになった経験があったのだ。しかし、トレイシーがみんなを説得。ソロとしてデビューする事になった...
あれ?ちょマテヨ...面白いじゃないですか!ライフタイムのくせに!なんでだろう?あー、あれだ。LAリードとペブルスだ!!この2人が出てくると映画が面白くなる。『CrazySexyCool: The TLC Story / 日本未公開 (2013)』の時と同じパターンだ!映画だとこういう分かりやすい描写で面白くなるのだ。ペブルスの悪女描写は最高!ゾクゾクします。でもね、こうやって書くと勘違いされてしまうので、ここからは太字で書きますので、注意してよーく読んでください。ペブルスとLAリードの才能の発見の臭覚とプロデュース力は半端なく凄い!それがなかったら、TLCもトニ・ブラクストンも無かったし、すなわちこの映画も無かった。私の大好きなアウトキャストだってなかった。でもペブルスはTLCとトニとで2回も裁判やっている訳ですから...何かあったのは事実だと思うんですよね。音楽って本当にお金掛かる。MV作ったり、バンド抱えてツアーやったり... お金掛かるよね。この映画でもバンドがお金払われていないって、ケリがトニに直訴するシーンあるじゃないですか?ソロとなれば、大きな舞台の座長として色んな事を管理させられているんだなって思いましたよ。あれ?そういうのをちゃんとする人居ないの?って。そういう面倒でややっこしい世界の中で、抜け道を作って、お金を儲けるのが上手い人達がいて、それがLAリードとペブルスだったなっと。でも映画ではそういう細かい事まで描けないから、ああいう風に分かりやすい悪役キャラにさせられているのですよ。『ストレイト・アウタ・コンプトン』で言うなら、マネージャーのジェリーみたいに。「ロブスター食ってただろ!」的な。ミュージシャンからしてみれば、まずはデビューする事に躍起、そして売れてきたーーーー!と車貰ったり衣装を与えられたりする。お金の事や契約の事なんて分からなくて当然ですよ!だからこそ、今度はLAリードとペブルス側からの映画を観てみたいものです。彼らなりの物語がある筈ですから。
まー、何がカッコいいってベイビーフェイスですよ!!!これ観たら、確実にベイビーフェイスのファンになるわ!って位にカッコいい。素敵。もう想像通りの貴公子!!そしてもちろん主役のトニ・ブラクストンも素敵。素敵なお姉ちゃん。頼りになる。何が素敵って、愛した男を決して悪く描かない事ですね。元夫との別れとかも、彼だけが悪者にならないように描かれている。ああいう失恋ソングを歌うだけありましたわ。これから彼女の歌を聴くときにも説得力が増しますわ。でも姐御って感じじゃないんだな。お姉ちゃんなんだな。トレイシーも良い子!そして妹のテイマー役がそっくり過ぎで笑える。
所で、TLCの映画放映後に悪役として描かれたペブルスが物凄く激怒しておりましたが、今回はそうでもない。トニ自身が「ああいう風に描かれしまったけれど、ペブルスのサポート無しには私は成功できなかった」と、フォローしていたからみたいですね。その辺の根回しもさすがお姉ちゃん!
(3.5点/5点満点中:1/26/16:TV放映にて鑑賞)