いやー、デビット・オイェロウォって凄いよね。っていうのを、この映画で再確認した!という位、デビット・オイェロウォが凄かった。
どこにでもあるような一般の平屋のお家。そこでは、ピーター・スノーデン(デビット・オイェロウォ)がカメラに向かって一人で話していた。母について愚痴り、犯した罪を弁明しているようだった。なんでもピーターは友人を招待したかったが、母がそれを拒んだようだ。ピーターは仕事に行き、帰ってきたらまたカメラに向かって話していた。家の一室に入ると、ピーターの眼鏡に血がついていた。ピーターは友人のエドワードに電話をする。エドワードはピーターのアメリカ陸軍時代の友人。しかしいつもエドワードの妻グロリアが出て、エドワードは居ないと言う。ピーターにはエドワードからの折り返しの電話もない。ピーターに掛かってくる電話は姉妹のヴィッキーと母の友人たち。彼らは母の事をやたらと聞いてくるが、ピーターはいつも「出かけていない」か「今電話に出たくないそうだ」と答えるばかり。そしてどういう訳か、エドワードがピーターを訪ねてくるという。ピーターは張り切って家の模様替えを始めるが...
って、大体想像つきますかね?登場人物はデビット・オイェロウォのみ!テレビのニュースキャスターとか出てきますが、その人のみかな。後は影だけ出てくる人もいる。電話での会話のシーンが多いけれど、本当に会話しているみたいで凄いよ、オイェロウォ!!って、『Selma / グローリー/明日への行進 (2014)』であのキング牧師を演じた同一人物だとは思えない!!殺気だっているというか、この映画では完璧に危険な人でしたよ。抑圧された真面目な男のネジが一本外れてしまった感が半端ない!逆に今まで真面目な役が多かったから、こういうのも出来るんだー!っていう喜びもありました。
ピーターも最初はエドワードの事を友人の1人として好きだったんだろうなーと思うし、その感じはあった。けれど、ネジが一本外れた時に、なぜかエドワードに固執しちゃったんだろうね。お母さんと一緒に住んでいるという事は陸軍を除隊した後はあんまりいい生活でもなかったんだと思う。姉妹のヴィッキーもピーターの所持金について心配している所が多々あったから。でも陸軍に居た時は厳しい母からも離れて自由で割りと良かった。だからその時の友達のエドワードに固執しちゃったんだろうなーとは思いました。
ちなみに原題の『ナイチンゲール』って何で?と思ったら、IMDBの掲示板に「ナイチンゲールの歌は、ヨーロッパの国の多くで死の悪霊として知られているから」とあった。それが由来かどうかは分からないけど、なるほど。しかしそう答えていたのがエドワードさんという名の人だった。出来過ぎ!
なんていうか、明日は我が身という怖さがたまらない。誰も「絶対に無い!」とは言い切れないよね。
(4点/5点満点中:1/7/16:DVDにて鑑賞)