Z for Zachariah / 日本未公開 (2015) おまけ
まだ日本未公開みたいなのでいきまーす!っていうか、中々面白かったのでいきまーす!キウェテル・イジョフォー様が出演。というか、出演者3人と犬のみ!という出演者にとっては出番が多くて美味しい映画なんですよ。という事で、イジョフォー様がたーーーっぷりと楽しめる映画なんですね。いきまーす!
木が多い茂った所。完全防備な成人女性と犬が歩いている。たどり着いた町の誰もいない図書館で女性は本を手にした。どうやらそこは核によって何か起きた後の世界。生存しているのは、その女性と犬だったようだ。女性はアン(マーゴット・ロビー)で犬はファロ。アンはファロと共に狩りに出ていた。そんな時に人影らしい痕跡を見つける。追うとそこにはやはり完全防備な成人男性が居た。男はその防着を脱いで、山に向かって叫んだ。アンはその男を影から観察。男はそこにある滝壺で水浴び。しかしアンは叫んだ「今すぐに出て!」と。男は警戒しながらアンの言う通りにした。案の定、その男はすぐに吐いた。そこは核汚染された滝だったのだ。男の名前はジョン・ルーミス(キウェテル・イジョフォー)。核事件が起きた時には、たまたま地下に居たので助かった。アンは自分が住む家でジョンを介護する事にした。アンの住む家は山の上にある為、どういう訳か核汚染を免れたのだった。ジョンは色々な事に詳しい男だった。滝は汚染されているが、水車を作って発電出来ると提案。しかしその水車を作るのに必要な木材を、アンの住む町の教会を取り壊して木材を調達しなければなかった。アンは頑なに反対する。しかしアンとジョンは残された人類として、少しずつ関係を育んだが、ジョンは少し躊躇していた。そんな時に、また別の人が居るような痕跡をアンは見つける。ケレブ(クリス・パイン)という男だった。彼もまた地下に居たので、生き残れた一人。南には生き延びた人々が町を形成しているという事を聞き、そこに向かう途中であった。3人となった事で微妙なバランスとなり...
という訳で世紀末映画なんだけど、じっくりと見せるタイプの地味な世紀末映画。なんだけど、じっくりとしている事が逆に面白い映画なんですね。どっかーーーん!ばっしゃーーーん!ずっどーーーーん!と景気の良い(いや、世紀末だから景気悪いかな?)映画も面白いんですが、たまにはこういう世紀末映画も面白い。3人がじっくりと演技を見せますよ。あまりマーゴット・ロビーは好きなタイプじゃなかったけど、この映画の彼女は素晴らしい。さすがに垢抜けきった彼女は農家の娘には見えないけれどね。イジョフォー様の政府関係の技術者役は見えますよね。そういう役似合う。「白人同士の方が良いよ!」というイジョフォー様に受けました。唐突で。
ところでこの映画を見ても、タイトルの『Z for Zachariah』というのがぴーんと来ない。ザカリア出てこないし〜!とか思う。キリスト教徒じゃないので余計に。いやキリスト教徒であったとしてもピンと来ないらしい。どうやら原作となった小説で、アンは「Aはアダム、Zはザカリア」というアルファベットを習う小さい頃から聖書勉強する絵本を持っていた。「Aはアダム」=人類最初の人はアダム(アダムとイブの)、つまり「Zはザカリア」=人類最後の人というのを意味しているらしい。
人類最後の人ザカリアとなったアンとジョンとケレブ。これがね、そんな時でも人って醜いわ!と、思ってしまうんですよね。まあでも最後の人たちがロビーとイジョフォー様とパインなら、その後はどう考えても美男・美女しか生まれないだろうし、人類安泰な気がしますが...なんて。結構重い物語ですが、そんな風には思わせない、結構サクサクっと見れてしまう見どころが多い面白い映画ですよ!
(4.25点/5点満点中:DVDにて鑑賞)