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"30 for 30" Youngstown Boys / モーリス・クラレット ~誘惑に負けた全米勝者~ (2013) (TV) 1392本目

この前、ESPNの『30 for 30』シリーズがどうやら日本でも観られるらしいという事をレイザーラモンRGのツイートで知りまして、いろいろと調べていたらN○Kで観られる作品とJスポーツ『ドキュメンタリー 〜The REAL〜』枠で観られる作品とで分かれているらしい。で、この作品はJスポーツで放送するらしく、邦題入れておきました。そしたら、後日放送されたのかやたらと「モーリス・クラレット」での検索でうちのサイトにヒットする事が多くて、みんなが検索する位面白いのでしょう!という事で観ました。

オハイオ州立大!!この作品で語られている通り、オハイオ州でのこの大学の人気度は凄まじい。みんなが思っている以上に凄い。そして彼等は主張も凄いです。アメリカでは何州かで住みましたが、かならずオハイオ州立大ファンを見かける。家から車までオハイオ州立大一色!間違える事など出来ないくらいの主張度。そしてモーリス・クラレット本人が言ってましたが、アメリカではフットボール>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>バスケット>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>サッカー位な感じですよね。スポーツ大国アメリカの中でも一番の花形スポーツ。学校でも職場でもどこでもフットボールが上手い奴が一番上。アメリカのヒエラルキーのトップがフットボール。これは間違いない。同世代で同じオハイオ州出身のレブロン・ジェームス。彼は高校を卒業して鳴り物入りでバスケットのNBAにドラフト1位で入った。NBAでは大学に行く必要がなかったのだ(当時)。しかしNFLは違う。最低でも高校卒業後に3シーズンプレーしていないとドラフトの権利は得られない。モーリス・クラレットは高校でも素晴らしい選手で大学からも物凄い勧誘があった。そんな時に丁度良く、クラレットの出身であるヤングスタウンという町にある大学で物凄い成績を上げていたジム・トレッセル監督が、オハイオで一番のオハイオ州立大の監督に就任。ならば、トレッセルと俺(クラレット)のヤングスタウンのコンビで全米1位に!と、呼ばれてもいないのに、クラレットはオハイオ州立大に進む事を告げた。っていうのが面白かった。呼ばれてなかったんかい!と。でも受け入れたオハイオ州立大も偉いね。

しかし、凄いね。1年生で(まず試合に出る事はないよ)、一番最初の試合で230ヤードのラッシュって!!!!\(* ̄□\) ̄□\) ̄□\))))ヒエ〜〜!! って、フットボール知らない人にはこの凄さが分からないよね。そうだよね。普通の大学生のランニングバッグで一試合で100ヤード取れば凄いね!と言われるレベル。その倍です!しかも大学最初の試合で彼はやった。完全に神降臨レベル。レブロンNBA最初の試合でトリプルダブル決めるよりも難しいレベル(ちなみにレブロン取ってない)。そして全勝で決勝に進み、全米ナンバーワンになってしまう。1年生で。これは本当〜〜〜〜に凄い事。レブロンがNBA1年目でプレイオフに進み決勝で優勝しちゃうレベル(ちなみにレブロンのチームはプレイオフまで進んでない)。ガツガツと進んでいくランニングバッグが一番好きな私には、モロタイプなランニングバッグ。

しかーし、人生色々。トラブルに巻き込まれる。ジム・ブラウンにも巻き込まれる。あああああーーあああーーー!あそこでジム・ブラウンが出てこなかったら、彼はこんな人生を歩んでいただろうか?ジム・ブラウンはクラレットを救う為に必死ではあったけれど、余計な事をぉおおお!!と、ジム・ブラウンのせいだけではないよね。あのアンディ・ガイガーが一番の悪の根源!分かりやすい悪役。嫌いだわー、こういうオヤジ。とはいえ、クラレットも弱い部分はあった。NFLコンバインは彼の最大のチャンスであったのに、それを自らの手で逃したんだから。

レブロンとの対比が上手い作品。フットボールってバスケット以上に体の消耗が凄いから、大学時代でつぶれちゃう人も多い。高校卒業で認められたら...とも思う。まあ誰かがこの映画の冒頭で言っていたけど、大学は億単位のビジネスでお金のなる木だからね。高校卒業でNFLドラフトの資格が出来ちゃうと、大学はお金入らなくなっちゃうから...政治的な事で選手は潰れていく。彼らには何にも残らずに... アンディ・ガイガーみたいなオヤジだけがお金を手にしていくのだ。

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(4点/5点満点中:7/20/15:VODにて鑑賞)