Jimi: All Is by My Side / 日本未公開 (2014) 1321本目
まず最初に断言しちゃいたい。今現在、ジミ・ヘンドリックスという稀代のギターリストを演じる事の出来る男は、確かにアウトキャストのアンドレ3000事、アンドレ・ベンジャミンで間違いないという事を!いや、確かに27歳で亡くなったジミを演じるのには、39歳のアンドレはちょっと老けてしまったかもだ。それにしても、やはりアンドレが最高のキャスティングである事は間違いない。音楽性が違うにしろ、あのジミのキラキラしたカッコいい唯一無二のカリスマ性、その逆でもあるシャイで何かを秘めている危険性...その両方すらアンドレは元々持っている。なので、アンドレがジミを演じると聞いた時、どんだけ嬉しかった事か!これはアンドレにとっても、一生に一度のビックチャンスだとすら思った。しかも監督・脚本は、『12 Years a Slave / それでも夜は明ける (2013)』にてオスカーの脚本賞を獲得したジョン・リドリー。良い作品になるぞ!という勢いしか感じないニュースだった。
1967年6月4日、ロンドンのサヴィル・シアターにてライブを待っていたのが、ジミ・ヘンドリックス(アンドレ・ベンジャミン)であった。それから遡ること1年前。ジミは人がまばらなNYのクラブでR&Bグループのバックとしてギターを弾いていた。ローリング・ストーンズのキース・リチャーズの恋人リンダ・キース(イモージェン・プーツ)がたまたまそのクラブで見ていて、ジミの演奏を気に入り、自分たちのテーブルに呼んだ。その後リンダは知り合いのチャス・チャンドラー(アンドリュー・バックリー)にジミの演奏を見せた。チャスは「ロンドンに来い」と、ジミを説得。ジミはロンドンで活動を開始する。そしてキャシー(ヘイリー・アトウェル)と出会うが...
ジミのロンドンでの生活が割りと史実通りに描かれている。権利の関係でイギリスでの話だけになったようで、音楽も一切権利がおりなかった。ジミの遺族が映画に反発しているのが原因。まあそこが全てだったんだと思います。ジミのロンドンでの生活はジミの音楽活動の上で重要な場面ではあるけれど、やっぱりそれだけじゃないもんね...と感じてしまいました。しかもリンダとキャシーとアイダという3人の女性との関係が主。イモージェン・プーツとアンドレの雰囲気が余りにも良かったのもあって、正直キャシーにいっちゃう所は全く理解出来なかった!いや、キャシーを演じたヘイリー・アトウェルは本物のキャシーの雰囲気あったし、頑張っていたと思うけど、やっぱり「どうして?」って思ってしまうんです。しかも、そんな事実は無いのに、なぜかジミがキャシーに暴力を振るっていた事になっている。ジミはそんな人じゃないよね。と、私もそこで反発!もうそこから観るのが嫌になっちゃうんですよねー。何かとても長く感じた。
あれ?こんな筈じゃなかったのに...というのが素直な感想。もっと完璧な状態でアンドレにジミを演じて欲しかった!なんでだろうね。ジミの映画はドキュメンタリーは最高なのに、ドラマ化すると確実に失敗する。ジミはやっぱり唯一無二な存在なのか?多分それもあるけど、これは制作準備段階で失敗したんだろうね。とても残念で仕方ない。
(3.75点/5点満点中:1/14/15:DVDにて鑑賞)