タイトルのラングストンとは、もちろん詩人ラングストン・ヒューズの事。意外とロマンチック乙女な私は小さい頃から詩が好きでしてね。中でもラングストン・ヒューズの詩が大好き。とは言え、彼はロマン派というより社会派ですけどね。でもロマンチックな詩も沢山あって、そっち系なら「つかの間の愛(Passing Love)」とか大好きですねー。「あなたが私にとって歌だからといって あなたのことをいつまでも歌っているわけにはいかない」っていう。私が勇気づけられたのが「母から息子へ(Mother to Son)」という有名な詩。っていうか、彼のは全て良いので、語りきれない!ラングストン・ヒューズは、20年代のハーレムルネッサンスを牽引した。ヒューズやゾラ・ニール・ハーストンとかブルース・ニュージェントなどが文学での中心人物。彼等が出版していた文学誌「Fire!」は、それを支えた。ブルース・ニュージェントは同性愛者で、ラングストン・ヒューズもそうだった。そしてこの映画を制作したのが、イギリス出身のアイザック・ジュリアン。そんな彼が探るラングストン・ヒューズは、もちろんヒューズの同性愛者としての面が語られていく訳であり...
サイレンの音と共に映し出されるモノクロ映像。そしてラングストン・ヒューズとハーレム・ルネッサンスへの黙想へが捧げられる。そしてジェームス・ボールドウィンが書いた文をトニ・モリソンが朗読している。タイトルが出て、ラングストン・ヒューズが死んだというラジオニュースが聞こえてくる。そしてラングストン・ヒューズ本人が「Hey!」という詩を詠んでいるいる映像が流しだされる。そして着飾った男達がダンスホールで手を取り合い踊っているのだった...
なんという美しさ。こういう世界&世界観を愛しているんだろうなー、アイザック・ジュリアンは!というのがヒシヒシと伝わってきます。彼がハーレムルネッサンスに馳せる思いが映像化されておりますね。男性の裸体を美しくセクシーに、そして時にはチャーミングに描いている。それにラングストン・ヒューズの詩やブルース・ニュージェント等の詩も交えて、ヒューズの居た世界を垣間見るかのよう。しかし、その美しさは、外からの暴力によって壊されようとしてしまう。悲しいっすね。自分たちの世界の中では美しく平和なのに...
しかし途中の「美しいブラックマン〜♪」という曲は、突然どうした!って感じだったね。ごめん、その部分だけは爆笑しちゃいました。てへ。曲調もなんだか私には... これがなければ、5点いってたかもー。
という訳で同性愛者である事を公言している黒人監督は、ラングストン・ヒューズもだけど、ブルース・ニュージェント大好きだよね。『Brother to Brother / 日本未公開 (2004)』とかもそうだよね。もうアンソニー・マッキーはこういう映画には出てくれないでしょうねー。あの流し目最高だったのに!!
(4点/5点満点中:10/29/14:DVDにて鑑賞)