私の涙腺破壊王マイケル・ペーニャが実在した労働組合を率いたシーザー・チャべスを演じているドラマ作品。シーザー・チャべスは、日本語ではセラル・チャべスという表記もあるみたいですが、映画の中ではシーザーと呼ばれていたので、シーザー表記にしておきますね。というか、この映画、マイケル・ペーニャ以外にもアメリカ・フェレーラやロザリオ・ドーソンに、極めつけにみんなも大好きジョン・マルコビッチとか出ているのにアメリカでも大々的に公開されなかったんだよねー。
アリゾナ州ユマに生まれたメキシコ系のシーザー・チャべス(マイケル・ペーニャ)の家族は農場を持っていたが、大不況で失った。シーザーは11歳の頃から働き、アメリカ海軍に従事した後、コミュニティ・サービス組織(CSO)の組織者として働くようになる。1962年には、労働者の組合を設立する為にも、実際に働いている人々と接点を持つためにも自分が自ら畑仕事に出るようになる。1962年、カリフォルニア州デラノに家族と移住。1965年にそのデラノにて、フィリピン系労働者が働く条件の改善を求めて立てこもりを起こす。シーザーはメキシコ系労働者を同じ地でまとめていたので、シーザーはフィリピン系労働者と共闘する事を決める。しかし、暴力行使ではなく、あくまでも非暴力にこだわった。とりあえずは、ストライクから開始していく。シーザーの妻へレン(アメリカ・フェレーラ)は、そんな夫を支え、自ら逮捕者になる事すら立候補するのであった。しかし戦いは厳しく、2人の息子は学校でイジメられる事もあったのだった。ロバート・ケネディが支持し支援もしてくれたが、労働者と雇用側(ジョン・マルコビッチ)の対立は一層激しくなっていくのだった...
という戦う男の自伝です。熱いです。戦う男マイケル・ペーニャも最高ですが、この映画ではアメリカ・フェレーラが最高ですね。物凄く血気盛んなんだけど、ぐっと夫を支える姿が滅茶苦茶最高です!出るところは出るけれど、夫を立てる所はちゃんと立てる。いい感じです。ロザリオ・ドーソンが演じたドロレス・ウエルタももちろん実在する女性。この2人の女性が支えていく描写も良い感じ。とは言え、主役はシーザー・チャべス!彼もまた、私が尊敬するキング牧師と同じく非暴力にこだわった。そこにとても感動いたしました。別にキング牧師に影響された訳ではないけれど、同じ時期に彼もまた非暴力で自分の権利を訴えた。そして彼の場合はみんなに非暴力を徹底させるために、断食までした。最初は26日間。そこの描写も映画には出てきます。マイケル・ペーニャ、元々が中肉中背で丸顔なんだよね。だからそんなに断食したようには見えないのが残念かな?でもスピーチの部分とかは、さすが私の涙腺破壊王。なんか惹かれるんですよね、彼の演技。マイケルはこのシーザーの事を知らなかったらしいが、メキシコから渡ってきたマイケルのお父さんがシーザーを演じると聞いて涙を流して喜んだそう。泣けるね、このエピソード。マイケルはその後に滅茶苦茶勉強したそう。ちなみにアメリカ・フェレーラもロザリオ・ドーソンも知らなかったらしい。ってか、知らないって、アメリカの教育はどうなってるんだ!!って事ですよ。というか、日本にも知らない人は多いと思う。日本語のウィキもないみたいですし... でもそれが映画の醍醐味ですよね。知らなかった人を知れるっていう。そういうチャンスと機会を与えてくれるのも映画。まあこれだけじゃないとは思うので、更に学ぶことも必要なんですけどね。
という訳で、みんなも大好きジョン・マルコビッチは嫌な人を演じておりましたよ、とても上手く。上手すぎで憎いですわ!!この映画の監督ディエゴ・ルナと小さい頃からのお友達ガエル・ガルシア・ベルナルがカメオで出ているらしいんだけど、どこだったんだー!知らなかったからチェックしてない...orz ここだったらしい。
(4.5点/5点満点中:9/23/14:DVDにて鑑賞)