SOUL * BLACK MOVIE * ブラックムービー

ブラックムービー、ブラックスプロイテーションなどについて

12 O'Clock Boys / 日本未公開 (2013) 1269本目

何だか気になっていた映画。やっとDVDにて発売。早速見る。そして後味の悪さにどっぷり浸かるの巻。ドキュメンタリーでここまで後味悪かったのは無いね。

ボルチモア。何度も書くけど私の地元川崎の姉妹都市。そんな川崎市の姉妹都市紹介のホームページに、ボルチモアはこんな風に紹介されている。「アメリカ合衆国東海岸に位置する国際的な工業・貿易都市です。合衆国建国の地として知られていますが、都市部の再開発計画でも世界的に注目されています。人口約64万人」。そんなボルチモアで昔から盛んなのが、バイク文化。バイクと言っても、オフロード用のバイク。彼らはそれで日曜のボルチモアの町を闊歩するのだ。普通に走るのではなく、彼らはウィリーなどを繰り返す。そして群れをなして走行するので、後ろを運転している車にとっては冷や冷や物だ。警察も長年手を焼いている。追いかければ事故になるから、追いかけないと決められているのだ。事故も実際に数多く起きている。コケたバイクが歩道に居た6歳の子をはねて殺した。そんなバイクに夢中になっているのが、もうすぐ13歳になるパグ。町で歴史ある軍団「12オクロック・ボーイズ」の一員になるのが夢。今は2輪じゃなくて、4輪のカワサキのバイクでウィリーとかしてみせていて、中々才能もあると認められている。2輪はまだ無理なので、今はもっぱら見張り役。そんなパグ少年をカメラは2010年春から2013冬まで追っていく。

普通にバイクに乗るのはもちろん良い。彼らが法律を破っているのか?というのは、多分信号無視と迷惑条例(あるか分からないけど)とかだと思う。一様軍団・集団があるけれど、他の集団と揉めたりする事もない。逆に一緒に走ったり、警察に捕まらないように協力しちゃう程。ギャングとはまた違う。映画でも紹介されていたけれど、彼らの走りを録画したYoutubeなどは全世界から注目されていて、日本からの書き込みもあるらしい。だけど...やっぱり見ていると危険だよね。実際に死亡事故まで起きている訳だし。私なんて、あの人たちの後ろを車運転しないといけないとかなったら、涙目になるわ!私、高校時代にクラスメートをバイク事故で失っているので、余計に。よくある話かも知れないが、そいつはクラスで一番いい奴だった。恋心は無かったけれど、こういう時に今でも思い出す。

という事でパグ少年。シャド・モス、元バウワウがリル・バウワウを名乗っていた頃にそっくり。しかしパグ君は、リル・バウワウの体に『Menace II Society / メナース II ソサエティー/ポケットいっぱいの涙 (1993)』のオードッグを詰め込んだような感じ程悪い!12歳にして言葉遣いは最低。FワードにBワードにNワードは当たり前。正直、彼が私の息子ならビンタしてますわ。でもそんなパグ君は、動物にやたらと詳しいリル・ムツゴロウ。なんでこんな事になってしまったんだ...と思っていたらパグの母親登場。なるほどねー!最低だわ。「私のリアリティ番組できるかもね?」と撮影にもノル気。母のココはパグを含めた4人の母。一番上の体の大きなティバは、「バイクなんて危険だから」とやらないお兄ちゃん。多分バイトして家族にお金入れていたのかな?彼が喘息で亡くなった後は、更に悪い地域に引っ越した。父親は牢屋を出たり入ったり。ココが1人で4人を育ててきた。昔はストリッパー(今は病院勤務。でもボーナス映像で分かる事で本編では分からず)。パグは、兄を失い引っ越し後辺りから更に悪くなっていく。学校もしょっちゅう停学。ココは怒るけれど、その怒り方も言葉遣い悪い。なのにパグに金歯とか入れちゃう。ココ自ら、パグの年齢を詐称してまで... 兄のお葬式でもココは殴りあいのケンカ。もう止めてくれよ!と思うが、どんどん加速していく。そんなパグ君だけど、意外と抜けている所がある。折角買ってもらった2輪バイクを、他の知らない人に貸してそのまま借りパクされてしまう。またもやお母さん口悪く激怒。そんなお母さんにも「バイクなんて将来何の役にも立たないんだから止めなさいよ!獣医になりな!」と勝手に決められる。本人はバイクで何かしたいと一様反論。でも、全然知らないオバサンにパグは話掛けられる。ちゃんと学校行ってる?と。将来何になるの?と。そんな時にパグは「獣医」と答えるのだった。子供は意外とちゃんと親の話を聞いているものですよ。だからこそ、ココがもうちょっとちゃんとした親だったら...と思ってしまう。寂れたバーでナンパされ、下手な癖にシャーデーとか歌うな!って思う訳ですよ。

で、2013年冬。パグ少年は少しだけ大人ぽくなっていた。手羽先を食べながら偉そうに語っていた。そして映像は切り替わる。夜中、友達と共にバイクを盗むのだった...「俺等がやりそうな事だろ?」と。

そこで終わる。後味悪すぎである。少しは良くなっているのかと思えば、更に悪くなっていて救いようが無くて、こっちは気分が落ち込むばかりだ。しかも映画は未完な感じで終わらせているので余計。でも未完な感じはワザとであろう。多分作っているほうもこれで終わりにしたくなかった筈。無念の結果のラストなのだと信じたい。これは酷い。余りにも酷いのだ!映画じゃなくて、この状況がね。

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(4.25点/5点満点中:8/20/14:DVDにて鑑賞)