Cast >> Paul Robeson (Pete Varond, a Negro), Eslanda Robeson (Adah, a Negro Woman), Hilda Doolittle (Astrid), Gavin Arthur (Thorne, Astrid's Husband) ....
Director >> Kenneth MacPherson
Writer >> Kenneth MacPherson
Genre >> Silent
Country >> UK
総合ポイント 5点/5点満点中
内容 >> 5 演技 >> 5 演出 >> 5 音楽 >> N/A
Great experimental film became significant milestone
黒人女性アダー(エスランダ・ロブスン)はピーター(ポール・ロブスン)という夫がいながらも、白人男性ソーン(ガビン・アーサー)と浮気をした。そしてソーンにはアストリド(ヒルダ・ドゥリトル)という妻が居た。その後、アダーはピーターと上手い事修復したが、ソーンはアダーを思い、アストリドは嫉妬で喧嘩が絶えなかった。アダーとピーターはその小さな町の唯一の黒人だったが、アストリドや町の老女は彼等に町から出て欲しいと考えていた。そんな中、ソーンとアストリドはまた喧嘩になり、ナイフを振り回すアストリド... ナイフを取り合いする間にアストリドは床に倒れる...
詩人として知られるH.D.事ヒルダ・ドゥリトルが出演し、ポール・ロブスンとその妻エスランダが共演している前衛的なサイレント映画。ロブスン夫妻がアメリカを追われイギリスに住んでいる頃にスイスで撮影された作品だ。制作はH.D.が入っていた「プール・グループ」によるもの。彼等は「クローズアップ」という映画評論誌を作っていたグループである。1930年のサイレント映画とは思えないほどに美しく、メッセージも映像も前衛的である。60年代のジョン・カサヴェテスを思わせる作画で、どの映画よりもポール・ロブスンが男前に見えるのだ。しかも異人種の性的関係に同性愛を思わせるシーン(男性のピアノマンがロブスンの写真を大事にしている)など、そのテーマにも果敢に取り組んでいる。1930年の事である。
これはポール・ロブスンがずっとやりたかった事が形に残っている挑戦的な作品である。そしてそれは偉大な歴史となったのだ。
(7/6/14:DVDにて鑑賞)