大変なのでまとめてポール・ロブスンのドキュメンタリーを。2本共にクライテリオンのコレクションに入っている。実は「Robeson on Robeson」と「True Pioneer」いうクライテリオンが制作したドキュメンタリーも入っているのだけど、そちらはIMDBに入っていなかったので、省略した。ちなみに「Robeson on...」も観たのだけど、ロブスンの息子が父を語っているドキュメンタリーで、「True Pioneer」の方はイギリス映画の歴史に於けるロブスンの功績をイギリス映画歴史家やロブスンの息子の秘話を交えて語っていた。
正統派のドキュメンタリー。ポール・ロブスンがどんな人物であって、どのようなキャリアを進んでいったかを追う。ナレーションはあのシドニー・ポワチエ。しかもアカデミー賞の短編ドキュメンタリー賞を受賞!と全てが華々しい。このドキュメンタリーではあのポール・ロブスンの名曲「オールマン・リバー」の歌詞とロブスンの関係を紐解いてもいる。時代毎に彼は「オールマン・リバー」の歌詞を変えていったのだった。オリジナルでは、黒人蔑視の差別語である「Nワード」が使用されていたが、映画『Show Boat / ショウ・ボート (1936)』では、その部分を若干(本当に若干だけど)和らげたダーキーに変更している。その後にカラード・フォークスに変更されたり、ロブスンが出ていない映画版『Show Boat / ショウ・ボート (1951)』では、その部分はざっくりと切られている。1927年にオスカー・ハマースタイン2世によって作られた曲であるが、ロブスンは28年から歌詞の変更を求めていた。というエピソードで、ロブスンがどんな人だったかが伺える。
こちらはジェームス・アール・ジョーンズ、ウィリアム・グリーブス、ルビー・ディが語るポール・ロブスン。ジェームス・アール・ジョーンズは舞台でポール・ロブスンを演じている。『Paul Robeson / 日本未公開 (1979)』として、PBSがTV放送している。なのでロブスンについて詳しい。しかも仲が悪い筈の実父で俳優のロバート・アール・ジョーンズを介して、ロブスンに会った事を語っている。ほぉー!珍しい!!ジェームス・アール・ジョーンズが父の事を話すのは珍しい!そしてルビー・ディは女優になる前に通っていた地元の教会が、ロブソンの兄の教会でそこで何度か生歌を聞いたという貴重な話しをしていた。しかも夫であるオシー・デイビスが舞台で『皇帝ジョーンズ』を演じた事があって、「夫のよりも...」と語っていたのは正直過ぎで思わず笑ってしまった。ウィリアム・グリーブスは「誰もが(政治的な)ロブスンのようになりたいと思ったし、真似しようとしたけれど、難しすぎて...」と語っていた。と、みんな面白エピソードを語ってくれております。こちらもクライテリオンのオリジナル・ドキュメンタリー。なぜかこちらはIMDBに入ってるんだ。
感想などは上の個々のリンクでどうぞ。
Paul Robeson: Tribute to an Artist(5点満点:7/7/14:DVDにて鑑賞)
Our Paul: Remembering Paul Robeson(4点/5点満点中:7/7/14:DVDにて鑑賞)