随分前に見ていたのですが、なぜか書いてなかったみたいなので、書き書きします。タイトルで分かるようにジェイーZのドキュメンタリー映画。ニューヨーク出身のジェイーZにとって、マジソン・スクエア・ガーデンでのライブは夢だった。その夢が叶った2003年11月のライブ映像を中心にジェイーZというラッパーを探っていく作品。ジェイーZ自身がナレーション。「地球上で一番ラッキーな男だ」と冒頭で語っている。ラッパーとして成功しただけでなく、事業も成功させ、しかもあのビヨンセと結婚出来たラッキーな男だ。さすがジェイーZだって麻薬を売り歩いていた頃にはそんな事を「ブループリント(青写真)」出来なかった筈だ。
そのマジソン・スクエア・ガーデンのライブでは、今現在のラップのライブと同じく白人観客がやたらと目につく。しかも彼等はジェイーZの曲の歌詞を全て覚えているのだった!!なのでジェイーZも、観客にマイクを向けて彼等に歌わせる事が多い。中でも「Izzo (H.O.V.A.)」のフックH to the izz-O, V to the izz-Aの部分をみんなで歌っている風景は見ていても気持ちいい。多分一緒に歌ったらもっと気持ちいいだろう。そんな風景も昔のジェイーZには想像出来なかったことだと思う。一方では観客の中に堂々とマリファナを吸っている人たちまでいる。なんとも不思議な感覚だ。
しかしこの映画からただただ感じるのは「プロフェッショナル」という言葉だけ。なんならあの日本の番組の同タイトル(仕事の流儀)の有名な曲を流しながらこの映画を上映したって違和感がない程。その証拠に「デフ・ジャム」の創設者の一人リック・ルービンは「こんな奴は初めて!歌詞をノートに書き留める事をしないんだぜ!」と興奮気味に語っていた。そしてこんな夢だったMSGのライブなのに、特別緊張している映像は見当たらない。適度ないい感じの緊張のみ。そういう雰囲気の持っていき方がうまいんだろうね。というか、そういう感じだから、白人の観客も憧れるんだろうね。
何ていうかジェイーZという男は、特に○○を最初に作り出した!というラッパーではないと思うんだ。意味不明かな?私も書いていて訳分からなくなってきた。例えばN.W.Aなら「ギャングスタ・ラップ」ストリートの声をラップにした先駆者だし、パブリック・エナミーやKRSワン等は社会派ラッパーの先駆者で、ラップだけでなくファッション界やノベルティ関係で実業家としての才能を見せた先駆者といえばラッセル・シモンズやディディが先駆者。そう、ジェイーZはラップ界では何かの先駆者ではない、でも彼はラップを何段も上のレベルまで引き上げた人として、後世言われる事になるラッパーである。ほぼ頂点に近い所にいるラッパーだ。
まーーーああーーー本当にプロ!とにかくプロ!!これが俺の流儀だぜ!っていう感じ。そりゃー、ビヨンセも惚れるわ!
(4.5点/5点満点中:10/28/13:DVDにて鑑賞)