生き方はかなりパンクだと思いますけど（自分で言う）、パンク音楽自体はそんなに明るくない。まあ大体の名前と代表曲位は知ってますが、アルバムとか集めた事ないし、文献も読んだ事ない。そんな私がこの映画に惹かれたのは、ある人との出会い。私は16歳の頃、自分でお金を貯めて、アメリカにホームステイした。私はボストンに拘っていて、中々ボストンのホームステイは見つからなかった。当時ネットも無いし。やっと見つけたのが、ボストンにホームステイして、その後にニューヨークとロサンジェルスの観光が出来るというものだった。正直、NYとLAはどうでも良くて、安い方が嬉しかった。でもその時に選択肢は無かった。その時に一緒になった確か一個上の女の子が居た。その女の子は真面目そうな感じで、実際に真面目だったと思う。その子がステイした家と、私がステイした家のお母さん同士が仲良くて、ステイ中も何度か一緒に行動していた。ステイも終わり、NYへ向かう時、その女の子が私に言った。
「私、NYに行ったらCBGBに行きたいんだよね」と。
「CBGB？」と聞いたら、「何か若手のミュージシャンが一杯出ていて、伝説的なライブハウス！」って、その真面目な子が教えてくれた。それが私と「CBGB」との出会い。今でも、「CBGB」と聞くと、その子を思い出す。
と、その「何か若手のミュージシャンが沢山出ていて、伝説的なライブハウス！」と、真面目な日本人の女の子を夢中にさせたCBGBの映画。CBGBは、ヒリー・クリスタルが設立した飲み屋。カントリー（C)、ブルー・グラス（BG)、ブルース（B）が聞ける飲み屋という事でCBGB。だけど、演奏したいとやってきたのが、新しい音楽をやっていた「テレビジョン」というバンド。このバンドのマネージャーがヒリーに掛け合った。基本、ヒリーはそんなにこだわりがないので、オッケーと返す。だけどヒリーには一つだけこだわり？があった「オリジナル曲を演奏する事」。実はヒリーのこだわりでもなんでもなくて、権利関係で揉めたくないだけというオチ。音響も、フリマのような青空市場みたいな所で機械を弄っていた男に頼む。「テレビジョン」のお陰で、新しい音楽をやっていた連中がCBGBに集まり出す。コネチカットの地下室でせっせと同人誌「パンク・マガジン」を書いていたジョン・ホルムストロムも通い始める。ここで新しい音楽「パンク」が生まれた。しかし、ヒリーの経営はずさんで、大学に進まずに経営を手伝っている娘とも衝突し...
なのにアメリカでの評判はイマイチ。私はパンクに詳しくない事が幸いしたんですかね？ジョン・ホルムストロムの「パンク・マガジン」をめくるような感じで作られていて、その文字が大変小さくて読みにくいという所以外は、面白かったけどね！アラン・リックマンのヒリー・クリスタルも最高。って、これも私がヒリー・クリスタルを知らないからなの？もうね、全然興味無さげなの。「人生、どーーでもいい！」的。高田純次よりも適当男！！ガソリン代ないから、ウォッカで動かしたり、もう酷いの。しかし、そんなヒリーが唯一人生を賭けたのが、「デッド・ボーイズ」というバンド。あっちじゃなくて、「トーキング・ヘッズ」とか「ラモーンズ」とか「ポリス」に何かを感じていたら...って思っちゃうんだけど、感じなかった所が、ヒリーらしいんだろうね。まあ、そんなヒリーをアラン・リックマンが飄々と演じていて面白い。まーでも、確かに有名ミュージシャンは、何か仮装的だった。無理に似せようとしている。そんな所は確かにパンクを感じさせないコメディ調な作品ではあるけれど、パンク界のインナーサークルを見ているだけでも面白かった。ホルムストロムとメアリー・ハロンが意気投合していく所とかも良いよね。イギー・ポップが乱入しちゃうのも好き。
ちなみに私に「CBGB」を教えてくれた女の子は、あの時は確か行けなかったと記憶しております... まだみんな高校生だったからね。多分無理だったと... その記憶は曖昧だけど、彼女が「CBGB」と言ったのはハッキリと覚えております。元気かな？彼女、映画観たかな？？
（4点／5点満点中：1/10/14：DVDにて鑑賞）
