Cast >> Muhammad Ali, Joe Frazier
Director >> William Greaves
Producer >> William Greaves
Genre >> Documentary
Country >> USA
総合ポイント 5点/5点満点中
内容 >> 5 演技 >> N/A 演出 >> 5 音楽 >> 5
"I'm looking for Joe Fraizer"
プロに転身してからずっと無敗で無敵だったモハメド・アリ。そのアリが、1971年3月、同じく無敗だったジョー・フレイザーと対戦する事になった。アリはいつもどおり、対戦前から激しい口撃を始めるのだった。その対戦前から、そして試合の全てを撮っている記録映画。
黒人監督ウィリアム・グリーブスが監督している記録映画。ビデオやDVDなどのメディア発売の時に、アリの知名度の高さから「Ali, the Fighter」という単数のタイトルになっているが、映画自体は「The Fighters」。戦う二人の複数を追っている。モハメド・アリが変わった車に乗って街を闊歩すると、自然と人が集まる。練習風景も同じ。アリが居るだけで人が自然と人が集まっている。ジョー・フレイザーの方は、真面目に教会に通い、ゴスペルを口ずさみ、最後には高揚して席を立って歌う。アリとフレイザーがお互いに電話で会話しているが、両方でカメラが回っているので、それを観るだけでも面白い。その彼等のマジソンスクエアでの試合のチケットが高くて、黒人の人々には手がでない。グリーブス監督はそんな彼等がプロテストしているのもさりげなく映画に加えて、問題を暴いている。そして肝心な彼等の試合も最初から最後まで、アナウンサーや解説の言葉もないので、会場の声援や野次、そしてグローブが肉体をえぐる音がそのまま生々しく伝わってくる。
ただありのままを撮った記録映画なのだけど、その撮り方の技術が凄かった。2人の戦う男の生々しさを嫌でも感じる恐ろしい記録映画。
(4/17/13:DVDにて鑑賞)