Hard Luck / ハード・ラック (2006) (Video) 1108本目
ウェズリー・スナイプス出所祝いナイト4夜目。つーか、この映画もっと早く観ておけば良かった。前にレンタル落ちの中古を見つけて、買ったと思っていたら買ってなかった。
多くの人には分かんねーだろうなーという作品。アメリカの批評家には「Boyz N The Hood / ボーイズ’ン・ザ・フッド (1991)」系の映画で云々と書いていた全くの勘違い親父が居た。どこに「ボーイズン」の要素あった??え??違うんだよ!「New Jack City / ニュー・ジャック・シティ (1991)」でしょ!!なんでそれが出てこないのー!!完全に「ニュー・ジャック・シティ」の同窓会。主演がウェズリー・スナイプス、監督がマリオ・ヴァン・ピープルズだもん。しかもさ、それだけじゃないんだよね。マリオは完全にそれを意識しているし、台詞とかにもバンバンそれを仕込んでくる訳。まあ設定もそうだよね。名前こそラッキーに変わっているけれど、長年何か悪さして監獄暮らし。出所するけど、全てを失い、昔住んでいたニューヨークに戻る。そこでは若いストリートの連中が、なぜかラッキーを憧れの目で迎える。本人は立ち直ろうとするけど、周りがそうはさせてくれず、ハメられる。で、なぜかヒスパニックのストリッパーと逃亡。トムとジェリー、仲良く喧嘩しな!状態で、そのストリッパーと喧嘩しながらロードムービー。彼等が向かった先には、ノコギリ歯殺人鬼が居て、なぜかしがないダイナーで彼等が遭遇。追っていたのが、ストーンじゃなくって、マリオ・ヴァン・ピープルズが演じているデービス・キャプテン。しかもデービスはラッキーとの間に長い歴史があるようで、ラッキーを執拗に追っている。ほーら、「ニュー・ジャック・シティ」だよね!しかもラッキーが立ち直ろうと頑張っている時に世話しているのが、ビル・コブス演じるコブさん。ビル・コブスは「ニュー・ジャック」で、最後にウェズリー演じたニノ・ブラウンに向かって発砲した男。さらにさらに、台詞でラッキーの事を「ミスター・アンタッチャブル」なんて呼んだりする。「ニュー・ジャック」のニノ・ブラウンは、実在したニューヨークの麻薬キングピンであるニッキー・バーンズがモデル。そのニッキー・バーンズのニックネームが「ミスター・アンタッチャブル」なんだよね。ここまで分かる人はアメリカの黒人でも5割位かな。あそこはぶっちゃけ分かり難いから「ニノ・ブラウン」でも良かったと思うけどね。
シビル・シェパードとジェームズ・ヒロユキ・リャオの奇妙なカップルも面白かったね。でも障害者の息子という以外に彼等の動機がイマイチ不明だった。なので「ニュー・ジャック」同窓会では不要だけど。この映画の時間軸が「The Intouchables / 最強のふたり (2012)」と全く同じ!カーチェイスから始まって、それから遡って、またカーチェイスに戻る。「最強のふたり」の時には上手いなーと思ったその手法も、この映画ではイマイチ上手さを感じなかったね。でもハロウィーン時期に設定したのは面白かったね。だからこそ被り物とか変装しても変に思われなかった。
確かにB級。でも、ヴァン・ピープルズが加わった事で、別の要素が生まれた。だからこそ余計にもうちょっとお金を掛けて、じっくりとこの同窓会を盛り上げて欲しかったね。「ニュー・ジャック」はそれに値するだけの名作だからね。あ、メルヴィン・ヴァン・ピープルズももちろんカメオ出演。スイートバックがニノ・ブラウンにアドバイスしているのは涙モノだ!分かるかな?分かんねーだろうなー
(4点/5点満点中:4/16/13:DVDにて鑑賞)