テレビで放送した時に夫とケラケラと笑いながら見てしまったのが、このプリンスの作品。面白いよね。世の中では酷評だけど、嫌いじゃない。ここまで自分のやりたいように作ってしまうと、愛くるしく思う。プリンス好きだしね。
もうさ、プリンスがジゴロっていう設定が面白過ぎるんだよね。普段はレストランでのピアノ弾き。狙った年増な女性に対してエロくピアノを弾くプリンス。でもドタバタコメディも見せちゃうプリンス。狙った女性を嫉妬させて、気を惹かせるプリンス。入浴シーンというお楽しみシーンまで見せちゃうプリンス。キスシーンがやたらと長いプリンス。全部プリンスなの。
でもエロく聴かせるプリンスが好きなファンは沢山居るし、彼の専売特許。でもまさかプリンスにユーモアがあったなんて、「シャペル・ショー」以前だったこの映画の公開時1986年には驚きだった。男性の入浴シーンがお楽しみになるなんていうのは、プリンスだけが許されていた事。キスシーンがやたら長いのは名曲「KISS」が生まれたから。全部プリンスだけが出来る事。
多分1986年には先を行き過ぎていたんだと思う。理解出来る人が少なかった。誰だったか忘れてしまったんだけど、アメリカのコメディアンが「昔はみんなプリンスの事をクレイジーだって言ってたけど、今はみんな彼の事普通に認めているだろ」って言っていて、そうだよねって思った事がある。モノクロで昔の映画のオマージュなのだけど、ファッションや音楽は最先端。プリンスはとかく誤解されやすいアーティスト。謎めいているからだと思う。あの「Wrecka Stow」の所とか謎だけど、そういう所がやっぱりプリンスだよね。その自分のイメージを逆手にとって作ったのがこの映画だ。プリンスのファンは、名作「Purple Rain / プリンス/パープル・レイン (1984)」よりもこっちが好きだという人も少なくない。あちらはプリンスの半自伝的な作品なのでストーリーがしっかりしている。こちらは少々単純なストーリーではあるけれど、プリンスが歌う曲がこの映画のメッセージ。「愛が全てを征服する」のだ。
しかしプリンスは車の運転上手いのね。そして車で制止棒を突っ切る時のプリンスの表情が、滅茶苦茶可愛い。あれもプリンスだけだよ、許されるの。うちの夫は、「プリンスはたまに女性よりもプリティな時がある」と言った。敢えて日本語に訳さずにプリティにしてみた。そう、プリンスはプリティなのだ!
(4点/5点満点中:1/21/13:DVDにて鑑賞)