テレビで先行放映された時に録画しておいたんだけど、ちょこっと見て「ジャマイカ訛り難しいー!2時間20分あるし」と断念。英語字幕があるであろうDVDで見たんだけど、英語字幕無かったよ!でも、見ていると割りとジャマイカ訛りも気になってこなくなり、のめり込んで観てしまいました。「2時間越え映画廃止運動家」の私にとっては、その時間もかなり心配でしたが、それも気にならない。逆にボブ・マーリーの半生を描くなら、それくらいが妥当だと思ってしまう位。
いや、プロ・ボブ・マーリー家の皆様には「これくらい知っていて当たり前」的な事が描かれているかもしれないけれど、それでも絶対に面白いと思える作品。ボブ・マーリーの人生、性格、音楽、信仰、政治までを網羅している。政治的なコンサートを中止させようとガンマンに襲われたりした事まであるのを、ボブ・マーリーの側近達がその様子を刻々と語っていく。7人の女性との間に11人の子供がいる事も、側近達は「シャイだから余計にモテるんだよ」って語っていたのが印象的。ツアーで様々な国を訪れたボブ・マーリーだけど、その中でも日本を特にフィーチャーしていたのは嬉しい。「日本のファンは言葉を理解していないけれど、音楽を感じてくれるんだ」と、他のミュージシャン達もそう言ってくれますが、今回も日本のファンへのお褒めのお言葉。ありがたいです。日本向けの作品って訳じゃないから特に嬉しい。でも日本人音楽ファンもそろそろ言葉も感じたいよね。ボブ・マーリーに関しては特に言葉を感じたい。ボブ・マーリー・ファンの方々は、それこそ必死にジャマイカを研究し、ボブ・マーリーの言葉の節々を感じてきた人々。ジャマイカが内戦で、2つに分かれた時に、コンサートでそのリーダー2人の手を取り握手をさせたボブ・マーリーは、やっぱり偉人。彼がそれを出来たのは、ボブ・マーリー自身が自分の音楽のパワーを一番信じていたからだと思う。だから、脅しとか暴力にも屈しなかった。このドキュメンタリーの冒頭で見るガーナの沿岸にある「帰らざる扉(Door of No Return)」から連れ出された黒人達。その子孫の1人であるボブ・マーリーが、アフリカを訪れる。ジンバブエでは独立記念のコンサートにも出席する。ボブ・マーリーの曲を聴けば、彼がパン・アフリカ主義であった事もわかる。そのきっかけとなった、ガボンの大統領の娘がインタビューに答えているのは興味深い。そして、さすがにボブ・マーリーがデラウェアで車を作ってたのには驚きました。インタビューに答えているデラウェアで友達だったオジサンもすっかり影響受けていて、服装が黄・赤・緑のレゲエ色なのが素敵でした。
とかなり深く、そしてフェアにボブ・マーリーが描かれているので、さすがの「2時間越え映画廃止運動家」の私も、これだけは支持いたします!
(5点満点:11/29/12:DVDにて鑑賞)