Cast >> Edouard Bamporiki (Emmanuel), Cassandra Freeman (Lt. Rose), Marc Gwamaka (Patrique), Zaninka Hadidja (Jeanne), Mutsari Jean (The Mufti), Cleophas Kabasita (Francine), Hassan Kabera (Ishmael) ...
Director >> Alrick Brown
Writer >> Alrick Brown, Ishmael Ntihabose (story), Patricia Janvier, Charles Plath
Producer >> Alrick Brown, Darren Dean, Tommy Oliver
Genre >> Drama
Country >> USA
総合ポイント >> 5/5点満点
Contents >> 5 Performance >> 5 Direct >> 5 Music >> 5
One Language, One Love
町の遠くでは銃声が聞こえるルワンダ。その喧騒から逃れるように、若者達は家の中で音楽や踊りに夢中になっていた。その部屋に居たのが、パトリケ(Marc Gwamaka)とジーン(Zaninka Hadidja)だった。2人は恋心を抱いていた。帰りがちょっと遅くなったジーンは、両親に隠れるようにこっそりと家に帰る。しかし、その両親は何者かによって殺されていたのだった。そして場所と時は変わり、殺人者達の更生施設では、殺人者達が次々と自分の犯した罪を告白していた。しかし、エマニュエル(Edouard Bamporiki)だけは心を閉ざしたままだった。そして敬虔なモスリムの指導者の家では、子供達がいたずらをして、父(Mutsari Jean)はカンカンに怒っていた。そして別の場所では、ローズ将校(Cassandra Freeman)と正義感溢れるフレッド軍曹(Kena Onyenjekwe)がツチ族救出の為に戦っていたのだった…
サンダンス映画祭にて観客賞を受賞した、ルワンダが舞台の作品。しかしサンダンスよりも先に行われた日本のSKIPシティ国際Dシネマ映画祭にて、大賞を受賞している。
「ホテル・ルワンダ」と同じくルワンダの虐殺がテーマ。しかし、この映画の面白さは、ヒーローを描いただけだったり、その残酷さを描いただけじゃない所。一番の中心にいるのは、ルワンダの普通の人々。その人達が、この問題に対してどう感じ、どう行動したかが描かれている。アフリカが舞台の映画にしては珍しく、ハイパーリンクで映画が語られていく。そう「クラッシュ」などで人気となった手法。様々な人が結ばれていく。ジャマイカで生まれ、アメリカで学んだアリック・ブラウンの初の長編作品。その監督がどうしてここまでルワンダ人の心を上手く描いたのかは、私にも謎だが、監督は旅行に出かけたアフリカに魅せられ、現地で活動した事もあったらしい。そんな彼がさりげなく「ホテル・ルワンダ」の皮肉的な裏話を入れているのも面白い。そして、どんどん謎が明らかになっていくラストが見事。ラストは思わず「うわー!」と唸ってしまった。映画のラストとして完璧である。
タイトルは「ルワンダ語」という意味。ツチもフツもこの言葉をしゃべる。だからこそ、仲たがいがあったとしても、謝れば分かり合える時が来る。フツにとってツチを意味するゴキブリという蔑称。イシュメルという少年にとっては、ゴキブリはゴキブリだった。言葉の持つパワーを知らさせる。
(8/15/12:DVDにて鑑賞)